快読日記

日々の読書記録

読書中『不愉快なことには理由がある』橘玲

2016年07月24日 | ノンフィクション・社会・事件・評伝
7月23日(土)

ブックファーストで、お勧め本に巻かれている「コレヨモ!」と書かれた帯、いつ見ても「ヨコモレ!」に見えて毎回びっくりする。

それはさておき、本屋で最近よく見るけど敬遠していた橘玲の『不愉快なことには理由がある』(集英社文庫)をちょっと見てみたら、2006年の民主党偽メール事件の話が出ていた。
参議院に出馬するホリエモンが自民党幹事長の息子に3千万円送ったというガセメールを信じた民主党議員、いたいた〜!あったあった〜!
この本によると、辞職した彼はその後、再度立候補しようとするも失敗、国替えもうまくいかず、就職したがそっちもダメで、離婚、精神を病んで入院、ビルから飛び降りて遺体で発見、という顛末をたどったそうだ。まだ39歳。
むー。
確かに世間知らずでおっちょこちょいだったかもしれないけど、命取られるほどの失敗だったのかな、誰か助けてくれる人はいなかったのか、としんみりする。

他にも、例えば「決断できない世界」と題した章では、1985年の日航機墜落の直後、夜間行動可能なヘリを出動させてくれるというアメリカの申し出を即座に断った日本政府のエピソードもショック。

この橘玲は“批判力”というか“バッサリ斬る力”は確かに強い。
でも、批判の“次”がないんだよなー。
分析好きには物足りない。
悪いところを指摘するだけのシコロヤマ親方の解説みたいだ。(今は審判だから解説席には座らないが)
「原因はこれだ。解決策はこれだ」というココノエ親方の方がずっと親切だと思うんだけど。