ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

コンパクトシティは高齢者に優しい  

2016-06-21 18:24:51 | 日記
コンパクトシティは高齢者に優しい  

車社会の進展と共に、車での移動を基本とする郊外型の生活が定着しました。これらの郊外化の現象は、高齢者の移動を制限しています。さらに、道路や下水道の公共投資の効率を悪化させてもいます。成長ばかりを目指してきた既存の都市政策は、限界を露呈し始めています。拡張が財政的に困難であれば、縮小することになります。縮小することを逆手に取って、新しい手法にもとづくコンパクトな都市づくりが求められています。コンパクトシティにおいては、徒歩や自転車で移動できる範囲に、生活圏が築かれています。この町で暮らす人々の様子を、藤堂さんとトット記者がお伝えします。

記者「コンパクトシティというと、財政力がない自治体や高齢者の多い町を想像していました。でも、この町の皆さんは元気に歩いたり、自転車に乗っています。車イスの方も自分で移動して、食事や買い物を普通に行っています。どうして、こんなに元気なんですか」
藤堂「移動しやすい環境づくりが成功しました。最も移動に困難をきたす車イスを使用している人を基準に、道路や施設をつくりました。車イスの移動には、段差の解消が不可欠です。この町は無電柱化をいち早く進めました。小江戸と呼ばれる川越の無電柱化は有名ですね。車イスで自由に動ける通路の幅の確保と段差の解消は、皆さんに喜ばれました。買い物や文化施設巡りが、気の向いたときにできるのが良いようですね」

記者「自由に買い物や外出ができたことで、波及効果が何かあったのですか」
藤堂「車イスの方だけでなく、徒歩やジョギング、そして自転車など交通手段が、能動的な移動スタイルになりました。歩きたくなる歩道や自転車専用道路など、低酸素社会に向けた環境を整えていたのです。自分で立って歩くことが、自立した生活をおくる基盤になります。住民の移動スタイルは、思わぬ結果をもたらしました。町の全体のマスとしての運動量が増えたのです。そして、健康指数が高くなりました。健康指数の上昇と共に、医療費や介護費が減少しつつあります。」

記者「健康を確保しながら、支出を抑える生活は、これからモデルになりますね」
藤堂「化石燃料を使えば使うほど、地域からお金は外国に出ていきます。地域で生まれたお金を地域内で回せば、地域内に落ちるお金は増えることになります。地域内でお金が循環すれば、地域は豊かになるわけです。地域内の資源を利用し、化石燃料の使用量を減らすことは、地域内の経済に良い影響を与えます」

記者「この町は、バイオマス燃料で火力発電をしていますね。それを売電し、そこで発生する温水を病院や温泉施設に供給しています。その効果は、どのようになっていますか」
藤堂「エネルギーを地域で生み出していく事業は、経済的にも公共的にも優れた面を持っています。このコンパクトシティは、町の主要機能を1キロ平方メートル内に集約しました。バイオマス発電だけでなく、廃棄物の焼却からも電力や温水を得て利益を出しています。温水を病院やマンションに供給し、集中暖房を行っているからです。水道事業でも小水力発電を行うことで利益を出しています。小さな事業を積み重ねていくことで、住民の仕事を確保し、納税者としての誇りを持ってもらっています」

記者「高齢者が多いようですが、町の財政状況はどうなのですか」
藤堂「はい、良く用いられる自治体の財政状況を測る指数に、財政力指数があります。都道府県では、1位が愛知県で0.93、2位が神奈川県で0.90、3位が東京都で0.86です。私たちの町は、0.85でかなり良い状態を保っています。無理をしないで、身の丈にあった行政を行っているからでしょう」

記者「大きな工場や大会社がなくとも、財政状況が良いというのは驚きですね」
藤堂「日本では高齢者が、一番お金を持っています。その老後を安全に、快適に、豊かにそして幸福に暮らせることを望んでいるのも彼らです。医療が充実し、住むところが整備され、良い食材が流通していれば、人は集まります。人が集まれば、知恵も増えて、必要なものは後からついてきます。町の内外を問わず、マンションの空きを待つ人が多く、何棟かの増設を計画しているところです。マンションを計画通り建てれば、地価は上がり、税収は増えます」

記者「前にも聞いたように思うのですが、医療体制はどのようになっているのですか」
藤堂「たとえば、高層マンションの1階は、お医者さんの病院と住居です。2階は理学療法室や運動療法のリハビリ施設、そして介護施設があります。その上に高齢者が多く住む住居があります。体調が悪くなれば、救急車を呼ぶまでもなく、日頃お世話になっているかかりつけのお医者さんが下から駆けつけます。手に負えない患者の場合、提携している大学病院に搬送し見てもらいます。大学病院で手術が行われ、集中治療施設から出れば、すぐにマンションに帰ります。リハビリは2階の施設で行えば良いのです」

記者「高齢者が自立して動くことができる町、高齢者を支える町の様子が分かったように思います。支援だけではダメで、生きがいを誘発させるような環境の重要性を知りました。今日はありがとうございました」


注意
ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。再度申し上げますが、現実の世界ではありません。虚偽の世界のお話の中に、有益だなと思うことがあるかもしれません。虚偽の世界のことを、現実の世界で試してみることは、推奨されることはあっても、禁止されることではありません。ただし、利益をあげても損害を受けても、自己責任ということをおわすれなく。