本を読もう!!VIVA読書!

【絵本から専門書まで】 塾講師が、生徒やご父母におすすめする書籍のご紹介です。

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

『史実を歩く』 吉村昭

2006年08月20日 | 新書教養

吉村氏の著作は読んだことがなかったのですが、先日、氏がお亡くなりになった折、よくおじゃまする、

HIRO。さんtani先輩milestaさん  のブログ。みなさん、吉村氏逝去に言及されているではありませんか。


実は、“あっ出遅れた。きっとおもしろいだろう。” と思い、早速、その著作、数冊を購入し、最初に手にしたのが本書です。


さて、実際に読んでみますと、いきなり、期待以上に大変興味深い一冊でした。ついついやめられずに、一日で読んでしまいました。


最初の『「破獄」の史実調査』から、引き込まれるように読みました。どんな厳重な警備体制を敷かれた刑務所からでも、必ず逃げてしまう、伝説の脱獄犯を扱った作品、『破獄』 執筆の裏話です。おもしろい上に、じ~んと来る良い話でした。

また、ちょうど昨日ご紹介した、真島節朗先生の 『 「浪士」石油を掘る 』 で、幕末のいきいきした歴史を読んだ直後で、どうしてこんな小説が書けるのかと、驚嘆していたわけです。

そこに実にタイムリーに本書に当たりましたので、桜田門外ノ変生麦事件 ほか、その時期の資料を、小説家がどのように、入手、分析し、自分の味付けでそれを料理し、ストーリーを作るかということがよく分かり、しばし興奮がおさまりませんでした。


司馬遼太郎氏が一冊本を書くのに、トラック一杯分の資料を読むと聞いたことがあります。仮に、誇張が入っているとしても、吉村氏も、司馬氏同様、少なくともそれに匹敵するくらいの、時間と情熱をかけなければ、満足のいく歴史小説は書けないということでしょうね。

資料によって、記述に矛盾が生じた時など、その溝を埋める作業は、作家の全想像力、集中力を注ぎ込むものなのだと良く分かりました。歴史作家の原稿に“締め切り”があるというのは酷だ、とすら感じます。

また、十分に調査をしたり、取材に走り回ったりすることができるだけの、生活や家庭がなければ、歴史作家というのは、とても選択できる職業ではありませんね。特に吉村氏は細部にこだわる作家だそうですから、よけいそうなのでしょう。

吉村昭氏、初体験、初心者の私が言うのもおこがましいのですが、歴史小説に興味のある方にはぜひお薦めしたい一冊です。本書に出会うことができましたのも、上に挙げましたような諸先達のおかげです。ありがとうございました。

私は“吉村昭中級者”めざして、地道にがんばります。


史実を歩く

文藝春秋

詳 細


http://tokkun.net/jump.htm


『史実を歩く』 吉村昭
文藝春秋:214P:714円



■■ ランキング報告・お礼 ■■

にほんブログ村 本ブログへ  では、強い方が、さっそうと現れ、風前の灯ですが、何とか1位です。ありがとうございます。

 過去最高4位にしていただきました。ですが、何と3位は私の倍近くでございます。
ふ~。どうすりゃいいんでしょう。キムタツ先生に相談です(笑)。

  1位にしていただきました。本当にありがとうございます。

読書小説書籍・雑誌ニュースbookおすすめサイト家族旅行趣味
『本』 ジャンルのランキング
コメント (8)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 『 「浪士」 石油を掘る ... | トップ | 『審判は見た!』 織田淳太郎 »
最近の画像もっと見る

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
史料 (ましま)
2006-08-20 17:38:44
おじゃまします。

いい企業史を作るには、10年につき1年かけるべきだといいます。したがって100年史なら史料トラック1台は優に必要です。

 個人が書く場合は、おのずから限度があり、そんな史料を置く場所もありません。したがって最小限度の本を買い、あとは図書館とか資料館などに出向いて、あらかじめ狙っていたところを素早く探してコピーを取ります。したがって段ボール函1個で終わり。でも遅筆ですから1作5年は最低かかりますね。
Unknown (milesta)
2006-08-20 17:39:42
私のようなブログ初心者、若輩者の名前まで書かれていて恐縮です。うちの主人はVIVAさんブログのファンなので、出張先でこれを見てたまげていることでしょう。



歴史小説作家の取材量は本当にすごいですよね。取材して書かれない部分の方が多いのが普通なようで、だからエッセイのようなものを書かれても話題が豊富でおもしろいですよね。

僭越ですが、TBさせていただきますね。
それはですね・・・ (キムタツ)
2006-08-20 22:09:24
僕のブログもベスト10に入った頃は今のようにずっと1位になるなんて思ってもみませんでした。地道に継続することが一番かと・・・

ただ3つともクリックされている方ってどれぐらいいらっしゃるんでしょうね。100人に1人ぐらいがクリックされているとすれば、分散させるよりどれか1つに絞られるのも方法かもしれません。

が、なによりブログの中身がいいので、自然と上がってくると思いますよ!

ましま先生 (VIVA)
2006-08-21 05:14:25
本書で少しだけ、歴史小説を書くということは、こういうことなのかなと感じました。先生の書斎をのぞくことはできたら、どんなに興奮することでしょう。



先生!

しろうと、1ファンとして…、誠に勝手ながら

ブログはtani先輩(と私)に任せて(笑あんど恐)、

ぜひ続編をお願いします。



↑で申し上げましたように、それができる才能、環境を持った方は、日本中にそうはいないはずですから。しかも、しかも

“廃車ようなら”のセンス。感動いたしました。
milestaさん (VIVA)
2006-08-21 05:22:27
記事で申し上げたとおりで、本当にありがとうございました。良書というのは、数限りなくあるのでしょうが、いちいち売り上げランキングを見なくとも、真島先生や吉村氏の著作のように、本当に私にとってすぐ近くの方々が教えていただけるので感謝しております。



Mr.Milesta にもよろしくお伝え下さい。
キムタツ先生 (VIVA)
2006-08-21 05:28:03
うわ~、ありがとうございます。本当に相談に乗ってくださって恐縮です。ぜひ今度ゆっくりお話しさせて下さい。ランキングがもともと手段であったのに、いつのまにか目的になって…。



おっしゃるように、地道にやってまいります。
遅くなりました。 (HIRO。)
2006-08-31 21:34:46
VIVAさんのブログは毎日見るようにしてるんですが、何故かこの記事だけ見逃していたようで・・・。すみません。そーなんです。吉村昭氏の大ファンなんです。最近はずっと時代小説ばかりでしたが、戦争を扱った小説もあり、とてもおもしろいです。とにかく自分の足で綿密な資料収集をされる方で、特に「長英逃亡」は最高傑作だと思いますし、小説なのですが、事実に近いと言われています。その点、司馬遼太郎とはちょっと違うかも知れません。遺稿になった短編が雑誌に掲載されるらしいので是非読みたいと思います。癌を扱った「冷たい夏熱い夏」は自分の弟のことですが、吉村昭自身が癌で壮絶な最期になることを知っていたのかどうか。
HIRO。さん (VIVA)
2006-09-01 12:48:35
こんにちは、とんでもない。コメントいただけるだけで大感謝です。HIRO。さんが最高傑作とおっしゃるのなら、「長英逃亡」も要チェックですね。



おっしゃるように吉村氏の最期。壮絶だったようですね。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。