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『転機の教育』朝日新聞教育取材班

2006年04月27日 | 教育関連書籍

産経が変えた風をご紹介し、朝日新聞の猛烈な批判のされぶりを述べ、朝日の反論本のご紹介をお願いしましたが、教育に関してはお薦めの本がありますので(バランスを取る意味でも(笑))一冊挙げておきます。

本書は朝日新聞での連載をまとめたものです。「ゆとり教育」導入の背景説明から、この間の論争、そして実際にその方針に対応した自治体や、学校の新しい取り組みを紹介するものです。

すばらしくうまくいく実例などが載っていますが、それを成功させるためには、学校単独の力だけでは難しく、数多くの地域ボランティアや、多額の予算などが必要で、どこでもすぐに導入できるものではないことがわかります。『これうちの子の学校にできるかなぁ』などと考えてしまいます。

また自治体や学校に自由度を与えたのは良いのですが、指導要領は最低基準だから、それ以上やっても良いと言いながら、授業時間は削られてしまうのですから、これまでと同じ水準の教科学習をすることさえ難しくなっていくのは当然です。

ある程度予想された事態だとはいえ、ここまで各自治体、学校間で格差が広がれば、同じ税金を負担していて、低いサービスしか受けられない人々にどう対応するのかが大きなテーマになってくると思われます。満足しているのは自分の選んだ私立校に通える裕福な層だけで、私立校はおろか、公立校の選択さえままならないような、多くの地方都市に住む人は単に行政からの教育サービスが低下しただけです。

本書にはそういう状況にもめげず一念発起した首長や、校長の力で克服している例がありますが、やはり予算を付けないままの改革ですから、相当な苦労がともないます。文科省は、いろいろとモデル校を選び予算をつけましたが、まだまだ目が向けられていない多くの公立校が存在していることは想像に難くありません。 

ゆとり導入当時の話題性がなくなって、教育に関する報道量は、新聞もテレビも大変減ってしまいましたが、まだ問題は何も解決していない状況です。小泉自民党政権でも文部科学大臣のポストは考えの違う人が就任しています。教育問題、教育格差を重視していない証拠だと思っております。一方、民主党の小沢一郎党首も、教育について『日本改造計画』で簡単に触れている以外、その主張を聞いた記憶はありません。

読み終えると日本の教育界は本当にがらっと変わってしまい、混乱の時期に入ったという印象を持ってしまうのですが、とてもよくまとめてあり、特定の制度や組織を批判するものではありません。(読者の声ということで批判の声は紹介していますが)バランスの取れた構成になっています。

転機の教育

朝日新聞社

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『転機の教育』朝日新聞教育取材班
朝日新聞社:252p: 525円
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