本を読もう!!VIVA読書!

【絵本から専門書まで】 塾講師が、生徒やご父母におすすめする書籍のご紹介です。

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

『停電の夜に』 ジュンパ・ラヒリ

2006年09月28日 | 小説
 

秋の夜長はやはり読書に最適。思索にふける、そんな雰囲気があるように感じます。そして、そういうタイミングで読むのに向いている一冊が本書だという気がします。

著者のジュンパ・ラヒリはイギリス生まれだそうですが、インド系のアメリカ人作家です。デビュー作でいきなり ピューリッツァー賞 はじめ、多くを受賞してしまうなど、並外れた才能に恵まれ、新人といいながらすでに名声を博していますね。

本書には9つの短編が収められていますが、実際に読んでみても、日常の風景の中での、ちょっとしたできごとが、ごく普通の人々に与えるさまざまな感情を、表現力豊かに描きます。

ただし、決して華美でなく、みずみずしいというのともちょっと違って、大物作家の風格さえ感じるような作品ばかりです。 すべての作品がインドに関連しており、その内の6、7つはアメリカが舞台です。

どの作品も、失われつつある家族の絆や、異文化とのふれあいなどが描かれています。希望と失望、憂鬱だったり、喪失感や不安だったり、愛情や友情などなど…。 筆者の独特なバックグラウンドが、国籍を超えて、人間の心の機微をとらえ、そうした作品をつむぎ出しているかのようです。


特に印象的な、『停電の夜に』では、たまたま工事で停電になってしまった夜に、心が通わなくなっていた夫婦が、暗闇の中で、ひとつずつ、自分の気持ちを告白していくという異様な緊迫感に惹きつけられます。


読む人によって本書の中のどれを好むか違うと思いますし、地味なストーリーですから、合わない人もいるでしょうね。個人的には、こういう季節にゆっくり読みたい一冊で、ついでにインドのことまで勉強できてしまう、お薦めの一冊です。

9つのうち、『停電の夜に』 『病気の通訳』 『三度目で最後の大物』が特に気に入りました。 


P.S. 同時に、インドの無茶な開発の現状を告発した 『誇りと抵抗(アルンダティ・ロイ著)』 も、衝撃的でしたので、記事を参考にしていただければ、幸いです。こちらの著者も、ブッカー賞受賞の大物です。

停電の夜に

新潮社

詳   細
誇りと抵抗―権力政治(パワー・ポリティクス)を葬る道のり

集英社

詳   細


http://tokkun.net/jump.htm 


P.S. おっ~と、忘れるとこだった。危ない、危ない。先生たちはお休みでも、残念ながら、受験生に休みはありません! 諸君はインドの歴史を復習!この前、“なんで、インド人は英語が話せるの” と聞いてきた生徒がいた(>_<) 。 頼むよホントに。

genio先生のインド歴史まとめ表→  『入試に出る!時事ネタ日記 (インドの歴史)


『停電の夜に』ジュンパ・ラヒリ
新潮社:327P:620円



■■  停電  ■■

受験生には大迷惑でも、夫婦には良いかもしれませんよ、停電…。 あっ、いやいや、やっぱり考えただけで恐ろしいので…、寝たふりですかね(笑)。賛同いただける方多いと思いますが…(笑)。できましたら、応援のクリック、お願い申し上げます。
  ↓  ↓  ↓
 2位でございます。 

 にほんブログ村 本ブログ  現在1位です。ありがとうございます。
『本』 ジャンルのランキング
コメント (8)   トラックバック (1)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 『東大生が教える!超暗記術... | トップ | 『上海ベイビー』衛慧(著)... »
最近の画像もっと見る

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
読みたいっ! (milesta)
2006-09-28 22:14:10
最近、文芸作品はあまり読まないのですが、これはとても読みたいと思っている本です。

イギリス生まれのベンガル人でアメリカ在住という経歴が作品に色濃く出ているようなのが興味深いのと、VIVAさんが書かれているように、大物作家のような老練な作品らしいというのに惹かれました。

おまけにポートレートを見たら、めちゃくちゃ美人でした。
読んだのに・・・ (ふる)
2006-09-29 00:14:46
完璧に内容を忘れている私がコメントなどしていいものか、悩ましいですが(苦笑)



ただ、良かった、とだけ記憶しております。



どーでもいい追伸:



>ジュンパ・ラヒリ



はなぜか、

カリィ カヒミ というアーティストやら

木村カエラちゃんの

リルラリルハ という曲名やら

全く記事と無関係、でも自分にとっては、

ちょっとうれしい(?)連想をさせてもらいました。
メール (kazu)
2006-09-29 00:44:45
vivaさん、こんばんわ、寝る前に一言です、内閣補佐官よりメールが届きました、不安でいっぱいだそうです、内閣法の改正を私がメールで書きましたのでそのように応援くださる方がいるなんてと喜んでいらっしゃいました。ブログのネームを書こうと思ったのですが非情に荒っぽいバカなブログでしょう、紹介できなかったです、恥ずかしくて。(爆笑)

でも少しでも同じ北陸人として応援をしてあげればと思っております、VIVAさんも応援よろしくお願いいたします、あそうそう伊吹さん、いいでしょう、彼はお天道様に申し訳がないと言う家族団らん教育と道徳教育を重んじる教育改革派です、年配ですが絶対がんばりますよ、それと稲田朋美氏を応援ください、彼女は麻生氏を支持応援しましたが「伝統と創造の会」の会長です、彼女は元弁で山谷氏が推薦し彼女の故郷である福井県選出の衆議院議員です、彼女も教育についてはしっかりしています。必ず彼女も将来は表に出てくると思います。

今後ともよろしくお願いいたします。
milestaさん (VIVA)
2006-09-29 12:51:42
え~、しかも美人なんですね。やっぱり作家の顔も気になりますよね(笑)。インド好きの友人は何人かいますが、繰り返し訪れます。行ってみたい国の一つです。
ふるさん (VIVA)
2006-09-29 12:54:09
コメントありがとうございます。アメリカへいかれるとのこと。



お気をつけ下さい。おもしろい話はφ(..)メモメモしてきて、ゆっくりブログで紹介していただけるのを楽しみにしております。
kazuさん (VIVA)
2006-09-29 12:56:41
そうなんですか!やりましたね~。すごいや。稲田朋美氏というのは、存じませんので、また教えて下さい。



それにしても、おっしゃるとおり、早速、動き始めましたね、文部科学大臣。期待がふくらんできました。
不純な動機で・・・ (山ちゃん)
2006-09-30 12:05:10
VIVAさん、流石にいい本をご存知でらっしゃいます。



ジュンパ・ラヒリ(Jhumpa Lahiri)の『Interpreter of Maladies(停電の夜に)』は、正直を言うと表紙の裏に掲載されていた作家の美しいポートレート写真に惚れておもわず買ってしまった本です。(動機が不純ですね) もちろん「Winner of the Pulitzer Prize 2000」という表記も多少後押しはしたのですが・・・。(^_^;



不純な動機にもかかわらず『Interpreter of Maladies』は素晴らしい短編集でした。特にVIVAさんも気に入られている「The Third and Final Continent(三度目で最後の大陸)」は素敵です。この短編は「A Temporary Matter(停電の夜に)」や「Interpreter of Maladies(病気の通訳)」の三人称とちがい、一人称の「I」で語られる小説ですがこの「I」は、ラヒリが女性なのに、男性です。この「I」のモデルはラヒリ自身の父親のようです。この短編は「私」と大家の老女のふれあいが見事でした。



「A Temporary Matter(停電の夜に)」と「Interpreter of Maladies(病気の通訳)」は女性の微妙な感情の流れが描かれておりますので、高校生はともかく中学生の男子生徒にはまだ難しいかもしれませんね。(女子生徒にはよく理解できるとおもいますが/笑い)



短編集でしかも英語もさほど難しくないので、アメリカに移民したインド系アメリカ人の生活もよく描かれていますので、英語で挑戦するにはよい本だと私はおもいます。



追伸:『停電の夜に』という日本題名は、短編集の邦題としても短編の邦題としても素敵ですが、短編の原題は「A Temporary Matter」で、短編集の原題は『Interpreter of Maladies』です。
山ちゃんさん (VIVA)
2006-09-30 16:32:48
あっ、英語で読まれたんですね。不純な動機で(笑)。全く思いつきませんでした。



高校生で読めるレベルですか?もしそうなら、ぜひ購入してみたいですね。



もう一つ、これも全くチェックし忘れましたが、邦題とこれほど違うんですね。ありがとうございます!

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。
Jhumpa Lahiriの短篇集 (クレール日記)
水曜日からJhumpa Lahiriの短篇集"Interpreter of Maladies"を読んでいます。 この本からはもう既に2話("A Temporary Matter", "The Third and Final Continent")読んでいたのですが、木曜日は"Interpreter of Maladies"を読みましたが、これには全く心 ...