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『子ぎつねヘレンがのこしたもの』竹田津実

2006年07月03日 | 絵本


ムツゴロウファンファンの方ならきっと喜んでいただける一冊です。ご紹介の前に、ちょっと今日の授業風景を…。読み飛ばしていただいても構いません。

浪人生クラスの英語の授業中【 HELEN 】という名前が出てきまして、本書のことが頭にあったもんですから。

私『 (バカにしすぎだと怒るかなと思いつつ)そうだ、A君、ヘレンケラー知ってる?』
生徒 A 『もちろん知ってますよ。この前テレビに出てましたから?』
私『テ・テレビ? ほんとかぁ~ 』
生徒 A 『いや、ほんとですって、まじですよ』
私『(かなりあやしい)じゃあ、ヘレンケラーってどういう人よ?』
生徒 A 『超能力の人じゃないですか!』
私『(確かに“超人的”な能力はあるなと思いつつ…)超能力? どんな?』
生徒 A  『スプーン曲げるとかぁ、』
生徒 B・C・D・E・F・G… 『(すかさず)ユリゲラーだ(爆)』
私『(ヘレンケラーとユリゲラー)やまだく~ん、ザブトン一枚!』

失礼しました。この手の話は スットコ掲示板 に満載です。よろしければどうぞ。
さて、すばらしい感動の一冊ですので、呼吸を整えて(笑)気を取り直して…。

■■【ここからレビューです】■■

映画化されるそうですからご存知の方も多いでしょう。竹田津氏は獣医です。ある日、竹田津先生の友人が連れてきてしまった、一匹の子ぎつねと竹田津先生ご夫妻、さらにその子ぎつねのまわりにいる動物たちの物語です。

きつねの名前へレンは“ヘレンケラー”から取りました。なぜか。その子ぎつねは、目が見えず、音が聞こえず、嗅覚もない。三重苦です。放っておけばすぐに死んでしまうことは明らかです。何とかへレンケラーのように、その困難を克服して欲しいという思いが込められた名前でした。

先生夫妻が“サリバン先生”役になり、ヘレンを生かせようと懸命の努力をしますが、さすがの大ベテラン獣医でも、手に負えません。挫折の連続で、常にヘレンのために『安楽死させたほうが良いのではないか』 という迷いと戦います。が、先生の奥さんはそれを許しません。

野生生物、しかも何らかの障害を負ってしまった動物の保護がこれほど大変だとは、思いもよりませんでした。獣医の視点から、いたずらに感動をあおるのではなく、淡々とした語り口が、余計に事態の深刻さや、きれいごとで済まされない動物たちとの共同生活の困難さを読者に伝えます。

やっと、ほんとうにやっと、先生たちの治療が実りはじめ、気持ちが通じたと思ったのもつかの間。へレンは脳にも障害があることが判明し、もう手の施しようがないのです。やがて力尽き、へレンは最期を迎えます。

日に日に激しくなる発作を繰り返し、先生たちもとうとう覚悟をします。このあたりは今思い出しても、胸が熱くなってきます。表紙の写真も読後に見ると悲しくなってしまうのですが、文中に出てくる、記録としての写真も心温まるものです。人の暖かさ、生命の尊さと厳しい自然界の現実、専門家の知識と執念、いろんなものを学べると思います。

“ペット(pet)” とは本来 “かわいがる、溺愛する” という意味ですが、本書を読むと、それを飼ってみたいと思うより、責任の重さが実感されます。

ルビが振ってあり小学校四年生くらいでも読めるのではないでしょうか。以前ご紹介した『馬の瞳を見つめて』 でも非常に深い感動と衝撃を味わいましたが、競走馬の話なので、ちょっと小学生には難しい。本書は、どのような方にもお薦めできる一冊だと思います。ぜひどうぞ。


http://tokkun.net/jump.htm

子ぎつねヘレンがのこしたもの

偕成社

詳  細

子ぎつねヘレン

松竹

詳  細


『子ぎつねヘレンがのこしたもの』竹田津実
偕成社:183P:735円


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