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『イラク』 田中宇

2006年11月08日 | 外国関連


田中宇 『イラク』.gif


イラク問題は、自衛隊が引き上げたこともあり、日本では報道が減っていますが、今回のアメリカの中間選挙では、景気問題以上に関心が高いそうです。帰還兵たちの立候補は、強烈なインパクトがありました。

イラクの人々の生活も大変でしょうが、アメリカ兵もイラクで毎日命を落としている訳ですから、関心が高いのは当然です。選挙結果は、ブッシュ大統領には相当厳しいものになったようです。


“大量破壊兵器があった” と自作自演しようとしましたが、世界はそれを許しませんでしたね。そのやり方は、ベトナム戦争のきっかけのトンキン湾事件を思い出しますが、時代が変わったのでしょう。

今では、アメリカ国民までブッシュ政権のイラク政策に“No!”を突きつけた結果になりました。選挙直前のフセインの裁判もムダだったようです。


先日は、『アメリカの保守本流』広瀬隆(著) をご紹介しました。そのコメント欄でも話題になった田中宇氏の著作です。広瀬氏同様の反米精神は、『ハーバードで語られる世界戦略』 田中宇、大門小百合(著) の中でも、ハーバード大学に対し、“アメリカの陰謀を練っているこんな大学はクソ食らえ” とあることからもわかります。


感情むき出しの書き手ですと、反米であれ、親米であれ、私は読む気がしなくなるのですが、やはり田中氏の知見は、“記事の寄せ集め”という批判があるものの、興味深い指摘にあふれているので、いまだにメルマガは読んでいます。


本書は、イラク戦争の直前の様子(2003年1月)と、歴史の両方を同時に学ぶことができる一冊です。田中氏は『イラクとパレスチナ アメリカの戦略』で、ネオコンと中道路線の対立もわかりやすく解説しています。 


開戦当初は米英両軍がイラクを、瞬時に軍事掌握した形になり、「次はシリアだ」 とブッシュ大統領が息巻いていました。戦後復興に世界の金を集めようとしていますが、本書を読むと「復興協力」「経済協力」ではなく、「補償」しなければならない国がある、と改めて感じます。

確かに、そもそも、「シリア」「ヨルダン」「イラク」「サウジアラビア」「クウェート」などと分断したのは誰でしょう。国境線が直線なのも異様ですね。パレスチナの地にイスラエルを建国する二枚舌の約束もありました。


筆者は、「朝鮮半島・ドイツより古い分割統治」 であり、その国のお家芸を超大国がきちんと継承している、と書いています。テレビや新聞が「大本営的報道」一色になっていた当時、改めて歴史を学ぶ重要性を感じさせてくれた一冊です。

イラク戦争は、2003年に始まりましたから、もう3年以上になります。アメリカの選挙でたとえ、共和党が破れ、2年後民主党政権になったとしても、戦争に巻き込まれたイラクの人々に平穏な日々が訪れるわけでなさそうです。


そこが戦争のおそろしさですね。引くのが難しい。イラクはアメリカの努力もむなしく、アメリカ政権がどちらであっても、もはや内戦状態にあるのではないかという報道まであります。本書で描かれる、開戦直前のイラクの人々の明るさは、とても印象的でした。

イラク

光文社

詳細


http://tokkun.net/jump.htm 



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4 コメント

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中間選挙で (bucky)
2006-11-09 16:22:55
状況がやはり気になって田中宇氏の「国際ニュース解説」を読んでしまいました。
賛否両論あると思いますが、やはりこういう時には、という感じです。
ただ、VIVAさんのおっしゃるように、これでイラクに平穏な日々が急に訪れるか、と言えばそうではない。ここに至っては国際社会はどう対応すべきなんでしょうか?無責任に引っかき回した、という事であれば謝って済むような話ではないな、と思うんですが。
buckyさん (VIVA)
2006-11-09 23:25:49
本当にどうするんでしょうかね。ラムズフェルド国防長官が解任されたようですが、イラクがすぐ落ち着くわけではありませんからね。

ブッシュが負けて、世界中があるいはアメリカ人が喜んでいても、まだまだ時間のかかる問題でしょう。
アメリカの罪 (ysbee)
2006-11-13 07:13:24
VIVAさん、田中さんの本を取り上げていただき、ありがとうございます。
縁もゆかりもありませんが、日本人が理解しにくいユダヤ人とイスラム系国家との確執を理解する上では、彼の著作は十全とは言えないまでも非常に手っ取り早く、歴史的洞察に貫かれた論拠に立っていると思えます。
戦争でなくなった兵士、市民、そして遺族の方々には、たとえどのような賠償が将来与えられても、一度喪失してしまった人生は戻ってこないでしょう。アメリカが犯してしまった戦争の作為が、そのうち国際的舞台で俎上に上げられて、ネオコンの首謀者が連座することがあるかも知れません。一連のテロ戦争に賛同しなかったフランスは、やはり大人です。いえ、エコノミック・アニマルです。
ysbeeさん (VIVA)
2006-11-13 12:11:43
いつも丁寧かつ適切なコメントありがとうございます。ネオコン連座なんてことまで考えますと、この先どう進むのか、かなり流動的だということですね。

そうですか、フランスはエコノミックアニマルですか(笑)。

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