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『ぬりつぶされた真実』 ジャン=シャルル・ブリザール、ギョーム・ダスキエ

2006年08月13日 | 外国関連
  
 
イギリスのヒースロー空港での、旅客機テロ計画で犯人グループが24人も逮捕と報じられ、7人の実行犯が1人ずつ英国発米国行きの旅客機に乗り込み、大西洋上で自爆テロを実行するという、想像を絶する、大規模な計画だったというではありませんか。

仮に1機だけに絞っていたら、テロは成功していたのでしょうか。恐ろしいことです。

“ウルトラダラー”を書いた手嶋龍一氏は、テレビで、これに関し、『アメリカでさえ、防げなかっただろう、まして日本なら、完全にムリだ』 というような衝撃的な発言をしていました。

日本には、Eメールや電話の盗聴など、諜報活動に強い制約があるし、タテ割り行政では、対応できないためだそうです。イギリスの、テロと戦ってきた歴史や失敗の教訓が、今回の逮捕につながったという分析でした。

本書は9・11テロの首謀者といわれるビンラディンの人物像と、テロの背景に迫ります。フランス最高の諜報機関が依頼し、3年を費やしたという大作です。スイスではビンラディン一家の圧力で発売禁止になったそうです。 

そもそもあの規模のテロ活動というものは、かなりの組織でなければ不可能なことはわかりますが、いったいその莫大な活動資金はどこから出ているのか。さらに、ブッシュとビンラディンが石油利権や金融ネットワークで、つながりがあるというではないですか。

本書を要約すると、

①アメリカはテロ以前から、企業のパイプライン建設のため、アフガニスタンの地理的重要性に目を付けてタリバンと極秘に交渉していた。空爆までもほのめかす強い調子で。その交渉失敗がテロに結びついた可能性が高い。

②ビンラディンはアメリカ軍駐留を許しているサウジに対して、強い非難を浴びせているが、ビンラディンを育て、活動を可能にしているのはサウジのオイルダラーである。そしてその関係はテロ後も続いている。

③FBIは明らかに様々な機関によるイスラム過激派への捜査を妨害していた。

④世界中にイスラム過激派の豊富な資金源がある。それは、ニセのNGO組織から正規の企業まで数多い。しかもそこには西側政府の要人たちがかかわる多岐にわたる利権も存在する。

これらのことが実に細かく、図や資料などで主張を補強しながら述べられています。ベストセラーとなっていましたが、まるで専門書のようで、決して読みやすい一冊ではありません。

私のような、のんびりしているごく普通の日本人には、にわかに信じられないほどの規模の、利権や犯罪のネットワークが世界には存在していることに驚かされます。ハンチントンの 『 文明の衝突 』 とは違った意味で、衝撃的です。

日本での、いわゆる盗聴法は、反対の声が吹き荒れました。私もあやし気な法律だと思っておりましたが、テロが起こってから、政府や警察の無策を批判するわけにもいきませんね。

日本のテロ対策は『途上国レベル』 (手嶋氏)だそうですから、テロリストに本気でねらわれたら…。ただでさえスパイ天国などと言われ、今日は、実際に、自衛官の自殺も詳しく報道されました。

こうして記事にして、危機をあおるのは本意じゃありませんが、だからといって、日本とは無関係だとはとても言えません。今のところ、いろいろ本を読んで勉強し、判断するしかないのでしょう。


http://tokkun.net/jump.htm
ぬりつぶされた真実

幻冬舎

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3 コメント

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日本では難題ですね (kazu4502)
2006-08-13 23:15:17
ご苦労様です、毎日暑い日が続きます、お変わりありませんか。

もし日本でこのような事件があればはたして解決できたかどうか疑問です、日本の縦割り行政では不可能と言っていいでしょう、テロに対する危機感が日本と違い、国民の安全を確保することは政権支持の重要課題ですのであらゆる手段を用いても未然に防ぐ力があるのでしょう、しかし盗聴なんて社民党が反対しますからね。日本は難しいと思いますね

でもどこまで法を改正してやればいいのか、私もはっきりわかりません、ただ未然に防ぐ方法はひとつ、移民を受け入れないことです、うれしいことに日本は単一民族(本当はちがいますがアイヌ民族と共存)であり、宗教に対し寛大です、アジア人の顔と違いますからまだ区別できていいと言うしかありません、問題はテロ対策も重要ですが治安対策も重要です、これは困ったものです、顔があまり変わりませんから。(お隣さん)

国民全員がネームバッチをつけて歩きましょう。名前・現住所・血液型・知能指数、知能指数は関係なかった(笑)あーそれから性別ですね、今はおかまちゃんみたいのがいますからね、冗談ですよ。
うーむ・・・ (bucky)
2006-08-14 10:36:45
実に難しい問題ですね。とコメントして済まされるほど、時代の変化は甘くないなーと思っています。自分も含めて、日本人はとかく「ひとごと」に陥りやすく、過去の事は忘れてしまいやすい。

日本人には理解しがたい、テロに導かれるような宗教の対立、民族の対立といったもの、しいては、自国の戦後をめぐる問題についても、もっと「知る→自分なりの考えを導き出す」作業が必要なのかな、と思ったり。

結局は、どんな政治家を選出し、それがどのような政策を採るかは、国民意識の積み重ねであるわけだし。

それにしても、このところの紛争に利権のにおいのしないものは無いですね。

そういうものが最優先されている世界に、平和は来るのでしょうか?

うーむ。
kazuさん・buckyさん (VIVA)
2006-08-14 13:48:46
いや、実は今日の朝、ちょうど私が出勤する5分前、東京が大停電しましてね。最初は我が家のブレーカーだろうと思っていましたが、様子が違うので、外に出てみたら、たくさんの人が不安そうに出ているじゃないですか。あっ、信号も消えてる!と。



町全体が停電しているようでしたが、私は電動式のマンションの駐車場から車が出せないとわかり、すぐにタクシー会社に電話したんですが、『混乱しておりまして、とてもお車をまわすことができません』と言われました。



しばらくすると、救急車や消防車のサイレンがあちこちで鳴り響き、私も仕方なく汗だくになりながら、駅までいくと、構内は真っ暗。エレベーターに閉じ込められている人が出たために、ここにも消防と救急車。



東京電力が町中にアナウンスしているのですが、原因不明とのこと。タクシー待ちの人々が長蛇の列で、ほとんどこないタクシーをじっと待っていました。



本書を紹介した直後でしたので、ひょっとして “テロ?”なんて考えちゃった次第です。



結局、私が住んでいるところは、30分くらいでもとにもどったので、家に電話をし、車を駅に持ってこさせて、何とか授業に間に合いました。



大変な一日でした。テロをするなら発電所だなと、実感しましたわけです。ハイ。

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