本を読もう!!VIVA読書!

【絵本から専門書まで】 塾講師が、生徒やご父母におすすめする書籍のご紹介です。

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

『家族力―「いい親」が子どもをダメにする』 ジョン・ロズモンド 大沢章子・訳

2007年04月21日 | 教育関連書籍


家族力.jpg


ブログでも子育てを話題にしているものは多いですね。本当に子育ての悩みは尽きません。私も何冊か取り上げました。実際に自分の子どもを持ってみてはじめて、子育ての難しさを痛感しました。いや大変です(笑)。


それで、自分の子どもが生まれてから、本当にずっと不思議に思っていたのですが、こんなに大変なのに、今より貧しい時代、今よりずっと余暇も少なくて、家庭電化製品がなくて、さらに手間がかかったはずの昔の人は、どうしてたくさんの子どもを育てることができたのでしょう。だって昔は5人6人の兄弟、姉妹は珍しくなかったですよね。

本書では、いきなりそのことを、あるエピソードを紹介して、取り上げており、“そうそうこれこれ”、という思いで夢中で読みました。


偶然、飛行機の中で筆者の隣に座った老婦人は7人の子どもを生み、みな普通に育った、離婚した子もアル中もいないと。夫を戦争で取られている間は働くシングルマザーで苦労したと話したそうです。

筆者が、「その当時、子育てを大変だと思ったことはありますか。まわりの人たちはどうでしたか」と尋ねると、どうしてそんなことを聞くのか分からないという表情で、「いいえ、普通にやっただけです」 という答えでした。


筆者が言いたいのは、子育ては難しいものではなく、“普通”にやれば、苦労することはないし、失敗することも少ないはずだということ。問題はその“普通”を現代の親たちの多くがわかっていないか、誤解しているということです。

その証拠に、子育てについて、例えば、近所にいる“普通の”年配の人や自分の親などに相談するのではなく、本屋へ行って、本書のような、“専門家” の書いたものをさがし、それに頼っているではないかと(笑)。何か特殊なことだと勘違いしているというわけです。なるほど…。


子育てのおおまかな原則を以下のようにしています。目次を紹介しましょう。


序章 バック・トゥ・ザ・フューチャー

第1章
 子育ての基本原則その一―子ども第一ではなく家族第一(何が一番かをはっきりさせる)

第2章
 子育ての基本原則その二―しつけに必要なのは、罰ではなくコミュニケーション。信頼関係を結ぶことではなくリーダーシップ

第3章
 子育ての基本原則その三―子育てとは人を大切にする心を育てること。自尊心を育てることではない

第4章
 子育ての基本原則その四―大切なのは礼儀を教えること。技術を習得させることではない

第5章
 子育ての基本原則その五―大切なのは責任感を育てること。よい成績をとらせることではない


子育ての目標は、子どもを幸福にすることではない、と念を押します。なぜなら、幸福というのは、立派に生きているときに結果として感ずるものであって、目的にはなりえないからだというのです。

幸福を目指した典型がヒッピーであり、なんと、筆者夫妻もかつてはヒッピーだったそうですが、彼らには何の目標も無く、何も成し遂げられず、悪い夢を見ただけだと振り返ります。

幸福とはなすべきことをし、品行方正に生き、よき隣人となることによって、得られるもの。多くの専門家が完全に間違って、子育てを複雑にしてしまった。故障していないものを修理が必要だと騒ぎ立てた結果だというわけです。


アメリカで流行っている、褒めることで成績が上がるなどという考えは、心理学的な神話だとも言い切っています。自尊心というのは非常に大切だけれども、実績のともなっていない賞賛をもらいながら育つと、自分で何かを達成することではなく、社会や法律や会社から、常に何かを与えられるこを期待した大人になると警告しています。本人はいいが、まわりはたまったものではないと。


他にもいろいろ示唆に富む指摘があるのですが、特に親の言葉遣いや振る舞いに関するところはおもしろかったです。全体的には、子育ての原則が書かれていて、細かい内容はあまりないのですが、言葉遣いはいくつかの具体例が出ています。

例えば、次の二つの言い方、どちらが好ましいでしょうか。


 「もうブランコは終わりよ。家に帰る時間だからね」

 「もう家に帰る時間よ。ブランコを降りて、行きましょう」


どちらでもいいですよね、素人から見ると(笑)。良いのは下だそうです。指示のあとに理由を付けると子どもの関心は理由の方へ向かい、口ごたえしやすくなると。他にもいくつかの例があるのですが、私にはこれが一番難しかったです。


筆者は、“家族心理学者” というそうで、子育てに関する本をたくさん出し、そのいずれもがベストセラーになっているそうです。毎週200誌以上の新聞にコラムが同時掲載される人気コラムニスト。


確かに分かりやすいし、多くの点で共感できます。以前、ご紹介した 急がされる子どもたち(ディヴィッドエルカインド)にも通じる主張ではないでしょうか。筆者が専門家に頼るなと言うのですから、おすすめしにくいのですが(笑)、一読の価値ありだと思います。気が楽になったように感じます。





■ ブログランキング ■

今日は、もう一つ子育ての記事をUPしたいと思っておりますが…。

記事が参考になりましたらクリックしていただけるとありがたいです。
 

(2位)

にほんブログ村 本ブログへ(1位) 

ブログランキング(2位)

(6位)


(1位)
  
http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】




家族力―「いい親」が子どもをダメにする

主婦の友社

詳細


『家族力「いい親」が子どもをダメにする』ジョン・ロズモンド 大沢章子・訳
主婦の友社:189P:1365円


『育児』 ジャンルのランキング
コメント (4)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 『なんて素敵にジャパネスク... | トップ | 親が子に注意すること:東京... »
最近の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ダメ親 (Dan)
2007-04-21 19:41:15
「いい親」が子どもをダメにする?
じゃあ、私は子どもをダメにしてないんだ、と一安心?
だって、ダメ親だも~ん!
もし自分が自分自身の親だったらと思うと、絶対嫌だし。
そう思うと、息子がちょっとかわいそうになってきました・・・。
Danさん (VIVA)
2007-04-21 21:27:29
職場で威張っていても、家に帰ると子どもの言いなりというのが最悪だそうですよ。要するに、甘やかさないというのが基本なのですが、ここまで教育論がいろいろあると、頭を整理する暇がないので、私には役立つ一冊でした。

Danさんは大丈夫でしょう。気合入っていらっしゃるから(笑)。
育児本 (haruママ )
2007-04-22 23:24:46
ここまで「育児本」が多いと、ホントにどれを読んだらいいのかがわからなくなりますね。で、最後には「自分流」になってしまう私なんですが・・・

「育児」・・・難しくしてるのは、結局「自分自身」なのかもしれませんね。
「子育て」について夫と話をして、色々と考えられたこと、良かったでした。
haruママさん (VIVA)
2007-04-23 10:25:38
本当に多いですね。それでどれにも一理あるような気がして、欲張りですから、全部取り入れたくなったりするわけです。困りますね。

時には、“ほめなさい”“しかりなさい” と逆のことが書いてあったりします(笑)。ですから私も、どうなんだろうと余計なことを考えず、感情的にならないようにして、なるようになるさ、と時々開き直っております。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。