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『スヌーピーの処世哲学』 廣淵升彦

2006年10月14日 | 教養


Snoopy.jpg


こちらのブログに時々コメントを下さる、国際ジャーナリストでエッセイストの廣淵升彦先生。先生の、大変ユニークで、おもしろい、好奇心を刺激する新刊が出版されました。本書です。

副題は、『感性をみがく言葉の力』 とあり、本の帯には 『スヌーピーたちに学ぶユーモア、人情の機微、会話術』 と書いてありますが、まさにその通りの一冊です。


まず、スヌーピーが登場するマンガ 「ピーナッツ」 や、その登場人物の簡単な紹介があります。なんと、「ピーナッツ」は50年!も続いているんです。“サザエさん”と互角です。

そして、サザエさんに、日本的な風景や社会、日常が描かれているように、ピーナッツにはアメリカ的なものが、ぎっしり詰まっているわけです。しかもそれがアメリカにとどまらず、世界中の人の心をとらえてはなさない。


個人主義が発達し、生存競争が激しく、自分をアピールしなければならないアメリカ社会。サザエさんの穏やかさとは対照的ですが、そこで生まれ育ったピーナッツは、よ~く観察してみると、教養豊かな会話や知的ユーモアの宝庫、毒も笑いもあって、“処世哲学”がふんだんにちりばめられているので、それを学んでしまおうというわけです。


本書で紹介される「ピーナッツ」は、4コマ程度が中心ですので、サザエさん以上に、より象徴的に、凝縮した形で、表現されています。お見せした方が早いと思いますので…、こんな感じです。

Snoopy 中.JPG


見にくくて恐縮ですが、例えば、このマンガ、ある出来事がきっかけで、女の子(サリー)が男の子(ライナス)にさんざんの悪態をつき、

どこで会っても、絶対に口をきかない” といって去りますが、最後に男の子が

 もしもボクがライ麦畑を通ってきたらどうする

How about if I were coming through the rye?” と呼びかけています。


なぜこれが、オチになるのか、すんなり分かれば良いのですが、白状しますが、私も本書で学んだ次第です。こういった文化的背景や、英語に関する解説が、マンガに続きます。ピーナッツで使われる英語自体も、妙な副詞や修辞句を用いることのない、しっかりした英文なのですね。“しょせんマンガ” とあなどってはいけません。


廣淵先生はご自分のブログ “ View of the World - Masuhiko Hirobuchi ” でも、本書でも、正しい言葉、生き生きとしたやりとり、そして気の効いたユーモア(できれば高い教養)などを強調されます。


今の日本の言語空間が非常に安易な、単一の言葉で、さまざまな事象を解説し、片付けられてしまっている現実に警鐘を鳴らします。

言葉は、本人が気付く以上に、自分の評価を上げたり、下げたりし、意思伝達の手段であると同時に、思考の源でもある。そこが貧困になれば、個人の思考も、そしてやがては、社会や国家まで貧困な精神が蝕んでしまう。そのことに意識を向けて欲しい、そんな願いを感じる一冊です。


“哲学” とは言っても平明な言葉で解説してありますので、国際人と呼ばれることをめざす夢多き若者から、我々のような英語教師はもちろん、中学生まで興味を持って読めると思います。

純粋にマンガを楽しむのだって“アリ” (あっ、怒られる、もとい“No problem”?)だと思いますよ(笑)。


尚、廣淵先生の作品がおさめられた、別の一冊、日本エッセイスト・クラブが出した 『片手の音 ’05版ベスト・エッセイ集』 も、以前ご紹介しましたので、ご覧いただければ幸いです。





P.S. 
自分の無教養をさらしてしまいますが、実は、私はスヌーピーというキャラクターは見慣れておりますが、それがそもそも「ピーナッツ」から生まれたということすら知りませんでしたので、本来、レビューを書く資格すらあやしいのです。先生、すみません。

でも、まぁ勇気を振り絞って(笑)、書きました。安直な言葉の汚染の片棒を担いでいる身にとっては、耳の痛い話で、本記事が、先生のご著書を汚すことのないことを祈りつつ。


http://tokkun.net/jump.htm 

スヌーピーの処世哲学

海竜社

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『スヌーピーの処世哲学』 廣淵升彦
海竜社:230P:1575円


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↑で、サザエさんを例に出しましたが、そういえば、以前、『 バカモン!波平、ニッポンを叱る(永井一郎) 』をご紹介した折に、唯一コメントをいただけたのは廣淵先生でした。偶然でしょうかね?

それを思い出して、2位とも離されましたし(笑)、記念にこんなバナーを作ってみました。

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6 コメント

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ライ麦畑 (風竜胆)
2006-10-14 13:29:46
スヌーピーは、色々な分野でネタになっていますね。ゲーム理論を中心にした戦略関係の本でもネタになっていました。(最初の部分だけでしたが)



>“How about if I were coming through the rye?” と呼びかけています。



オチがはっきりとは分からないのですが、サリンジャーの「ライ麦畑の捕手」(または「ライ麦畑で捕まえて」)と関係がなんとなくありそうな気がするのですが。

Unknown (milesta)
2006-10-14 13:39:48
子供の頃(といっても中学生くらい?)、スヌーピーのキャラクターのかわいさに惹かれてマンガを読んでみたけど、全然何がおかしいのかわかりませんでした。アメリカの文化や習慣を知らなかったのが大きかったと思います。今は異文化にも関心があるし、このような解説本があれば、おもしろく読めるかな?



廣淵先生のブログを拝見しましたが、「よき英語になじもう」に納得しました。

よく「旅行の英会話くらいできなくちゃ。」というけど、私はいまだにマクドナルドで買い物をするのが苦手です。お店の人は、省略語が多いし、早口だし、訛りもある。記号みたいで何を言っているかさっぱりわからないんです。きちんとした英語を喋ってくれれば、内容が多少難しくても、聞き取りはずっと楽です。
風竜胆さん (VIVA)
2006-10-14 15:27:10
こんにちは、ゲーム理論まで…。なるほど、本書を読んだら、きっと使えそうなマンガがあるだろうなという気がします。



ライ麦畑ですが、すみません。“オチ”というと語弊があるかも知れません。やはり“殺し文句”ですね。



サリンジャーももちろんあるのでしょうが、本書では、それは触れられておらず、ある民謡を紹介しています。



ライ麦畑は密会するのにちょうど良い高さに茂っており、昔から、恋人たちのロマンスの場所の代名詞になっているというような趣旨の解説があります。



やはり残念ながら私の説明では、先生の真意を曲げてしまう恐れが大いにあります。できればご一読を。
milestaさん (VIVA)
2006-10-14 15:32:57
そうなんですよね。外国のマンガって、やはりその文化を頭だけでなく、肌感覚として身に付けていないと分からないですよね。日本はマンガ大国で、ピカチュウなんかは大人気ですけど、サザエさんほど生活に密着してしまうと、外国人にも、わからないかもしれないですね。



英語に関してもおっしゃるとおりですね。



でもスヌーピーの英語は、おどろくほどしっかりしてましたよ。と言ってもあまり他のマンガと比べたことはないので、偉そうに申せませんが…。
Unknown (tiakujo)
2006-10-14 15:37:16
もちろん即訪問させてもらいましたが、もっともっと大勢の方のコメントが楽しみです。

毎日何回もここを覗きにまいります。

それにしても、VIVAさんのサザエさんも登場の記事は、たまらなくいいなーと思いました。
tiakujoさん (VIVA)
2006-10-14 22:35:38
お褒めのコメントありがとうございます。さすが、熱烈、Hirobuchiファンですね!先生がうらやましいですよ。



ただ、この記事への多くのコメントは~~?



そうおっしゃいましても、私にできることはございませんので…。これ以上のプレッシャーはご勘弁を(笑)。



すばらしい一冊なので、じっとしてあわてずとも、水に砂が浸み込むように広まると思いますよ。本当に。

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