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『毛沢東を超えたかった女』 松野仁貞

2006年09月13日 | 外国関連


中国には二人の神がいる。一人は毛沢東、もう一人は私、劉暁慶

と語った、この女性をご存知でしょうか?


女優で中国の国民的スターです。私は映画をあまり見ないので知りませんでしたが、ハリウッドでも日本でもいくつかの映画に出演しているそうです。彼女の出世作は「 西太后 」という映画だそうです。

西太后自身が、中国三大悪女の一人とされ、非常に貪欲、残酷な人物であったそうですから、劉暁慶にぴったりはまる役だったのでしょう。

冒頭の言葉からもわかるように、とてつもない気宇壮大な発想の持ち主です。医者の治療費すらままならなかった貧乏な家の娘が、女優として、あるいは不動産ビジネスなどで大成功を収め、巨万の富を得た「改革開放」の申し子のような存在です。


最後には政治にもかかわるようになるなど、チャイニーズドリームという言葉があるのかどうか知りませんが、毛沢東の “文化大革命” から、小平の “改革開放” への時代変化を表わす、象徴的な人物です。

しかし、社会主義国の中国では、あまりの経済改革のスピードに、それ以外の社会制度も国民の意識も付いていけません。すべてが農村社会の枠組みから脱皮する前に起こってしまったのです。

劉暁慶は、食料を “配給” してもらう立場から、一気に資本主義の権化のような姿になってしまったのですが、“納税” という意識すらありませんでした。

結局、当時の 朱鎔基 首相の逆鱗に触れ、脱税容疑で逮捕されてしまいます。

利用できるものは何でも利用し、頂点を極めたかに思えた直後の逮捕。この事件の衝撃は日本では予想の付かないほど大きなものだったようです。

一人の尊大、不遜な女性が中国建国以来の混乱や文化大革命、改革開放をしたたかに生き抜いた半生を描くことによって、現代中国の等身大の姿を映し出す、興味深い一冊でした。

先日も 『 中国暴発 』 をご紹介しましたが、生徒には、こうした個人にスポットを当てたものの方が、中国の様子をよく理解できるでしょう。



P.S. たまたま、タイミングよく、仲間の “genio” 先生が、中国(毛沢東) についての時事問題に関して、書いております。受験生は絶対にチェックするように。中国時事はどこかで必ず出題されます!

→ 『 入試に出る!時事ネタ日記 』

毛沢東を超えたかった女

新潮社

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『毛沢東を超えたかった女』松野仁貞
新潮社:250P:1575円

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4 コメント

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Unknown (milesta)
2006-09-14 00:30:45
面白そうですね。こんな人の存在、全然知りませんでした。

私も中国の戦後史は、個人の自叙伝『ワイルド・スワン』で学びました。個人が国に翻弄される文革の恐ろしさがよくよくわかりました。



しかし中国の女性というのは強い人が多いんですね。宋姉妹とか江青とか・・・。ご紹介の劉暁慶も強烈そうですね。
milestaさん (VIVA)
2006-09-14 06:50:37
そうです。すごいです。よろしければお読み下さいね。
毛沢東は矛盾論 (詩音魔)
2006-09-15 00:51:03
今晩は はじめまして

学生時代、毛沢東の「矛盾論、実践論」を無理やり読ませられました。



まさしく中国は矛盾論実践論の国家だと思います。市場経済社会主義を実践していますから、そういう意味で、この女性の生き方には本当の中国を見る思いです。

詩音魔さん (VIVA)
2006-09-15 12:54:23
はじめまして。コメントありがとうございます。今、また別の毛沢東に関する書籍を読んでおりますが、本当に近くにありながら、理解しにくい面がたくさんあります。



今の経済発展が、オリンピック以降も続くのでしょうか。まだまだかなりの混乱があるのではないかと危惧します。本書の女性は少なくとも一度は大成功をおさめていますが、そうなっていない層がどう安定した国を作るのか、想像すらつかないのが本音です。

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