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『ぼくらはみんな生きている』 坪倉優介

2006年08月31日 | ノンフィクション
 

記憶喪失というのは、時々、テレビドラマや小説で取り上げられますが、みなさんのまわりにそういう方がおられるでしょうか。生徒の中には、単語をいつまでも覚えず、ついつい 『おいおい記憶喪失か?!』 なんて叱っちゃいますが、本物の記憶喪失は想像を絶しています。

本書は事故で記憶喪失になってしまった18歳の若者と、その母親の手記です。現実とドラマではかなり違うようです。


バイクで交通事故に遭った筆者が、一命は取りとめたものの、記憶喪失になってしまいます。意識はしっかりとして、会話もぎこちなくできるのですが、友人、恋人、自分の名前、家族すら忘れてしまいます。

それどころか、もっと生理的な、食べること、寝ること、トイレに行くというようなことすら、理解できなくなってしまい、まるで人生をゼロからやり直すかの様子です。そこから家族と本人の想像を絶する苦闘が始まります。本人よりもむしろ母親の手記に心打たれました。(分量としては少ないのですが)

事故などで、体に障害が残ってしまうのも痛々しいのですが、記憶を奪われてしまうというのも同様に残酷です。自分の愛する子どもが自分を他人のような目で見たら、いったいどう感じるのでしょうか。

いかにして記憶を取り戻すのか、記憶喪失と戦いながらも、何とか大学に復学をはたし、最後は立派に染物職人として自立するという、12年間を描き、前向きなエンディングではあるのですが、本当にこんなことがあるのかという驚きの一冊でした。

本人、家族の言葉、姿を通して人間の成長の過程が改めて確かめられます。私が読んだのは単行本で、2001年に出され、現在は文庫本になっておりますが、私はその後の筆者の様子も知りたいですし、母親の手記をまとめたものが、いつか出版されて欲しいとも思います。


子供が読んでも大人が読んでも興味を引かれる内容だと思います。そして、やはりどこまでも、人間というのは社会的な動物であり、社会や家族によって、生かしてもらっているんだな、とか、人間は記憶によって生きているんだなということを痛感しました。



http://tokkun.net/jump.htm 

ぼくらはみんな生きている―18歳ですべての記憶を失くした青年の手記

幻冬舎

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『僕らはみんな生きている』 坪倉優介
幻冬社:229P:520円(文庫) 


P.S. 記憶喪失にあこがれることはありませんか? 人は誰でも、忘れてしまいたい記憶もたくさんあるでしょうが、記憶を選別することはできませんね。そういう記憶を持って生きていくのもまた人間らしいんですね。


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2 コメント

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他人事ではないんです・・・ (haruママ)
2006-09-03 01:56:28
ま、病気のせいなんでしょうが・・・記憶喪失までは全然いってないですが、時々ホントに「あれ!?」って思う事しばしばの夫です。一瞬の「記憶喪失になりたい」願望って、結構思ってる人意外に多かったりするようですが、ホントの記憶喪失になったら、それどころじゃない!ってどころじゃないんですよね。「例え」では使えても、心からは言えませんね。

読みたい本です。
haruママさん (VIVA)
2006-09-03 13:17:46
haruママさん、お元気になられたのですね!良かった良かった。



愛知県はまだ暑いでしょう。東京は昨日今日すっかり秋の気配です。娘さん、朝ごはんしっかり食べてますか(笑)。



うちの息子、娘は食べすぎです(笑)。

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