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『若者はなぜ「繋がり」たがるのか - ケータイ世代の行方』武田徹

2006年12月06日 | 教養


若メはなぜ「繋がり」たがるのか 武田徹.jpg


「最近の若者は…!」というお叱りは、古代エジプトのピラミッドにも書き記された歴史の古いものだそうです。今また、少し前の新成人たちの「愚行」から、フリーターやニートの問題、そして携帯電話のマナーに至るまで、若者に対する時代の風当たりは強いものがあります。

本書は少し前に出されましたが、その若者論、特に携帯電話に代表される、コミュニケーションの仕方や人間関係の変化について論じています。


高校の英語の先生はご存知でしょうが、大学入試でも携帯電話に対するマナーについて述べた英文が相当数出題されています。ちょっと驚くほどです。ですから… 

cell (cellular) phone / mobile phone / portable phone  などは今や、大学受験生の必須単語です。(大丈夫かな、これらが載っていない単語帳はダメだよ) 


大学の先生方がかなり授業中の携帯電話のマナーに怒っていらっしゃるということが想像できますね。そういえば、『ケータイを持ったサル』を書いた、正高信男氏も京都大学の先生でしたね。“サル” とまで呼ぶのですから(笑)。


(公立高校や中学ではひどいと聞きますが、私は当教室で生徒を見ておりますと、携帯電話のマナーはかなり改善されてきたというか、正しい使い方が周知徹底されてきたと感じます。授業中に携帯電話がなることも皆無になりました。むしろ大人の方が…)


本書は、著者が若者文化について『日経トレンディ』、『読売新聞』、そして『女性セブン』 など様々なメディアに寄稿した記事の「寄せ集め」の形をとっています。従って内容も「宇多田ヒカル」から「ユニクロ」まで多彩なものとなっており、現代若者文化を取り上げたものとしては読み応え満載です。一つ難を言えば、文体に統一性がないため、やや読みづらくもあるのですが。


各章は以下のようなものです。

第1章 ケータイとともに来たもの

第2章 散らかった部屋から見える景色

第3章 そしてすべてキャラになった

第4章 音楽を聴かずに眠る日はない

第5章 「いま」の演出家列伝

第6章 ケータイの先に来るもの



さて、若者文化を語るときには、個人の感受性や自分の世代との比較がモノを言うのですが、感情論に走ってしまうと建設的な議論を逸してしまうおそれがあります。ですが、社会学をバックボーンにした著者の分析は、単純な若者批判を超えた、時代への警鐘と新しい世代への信頼を導き出しています。


例えば、若者でにぎわうフリーマーケット会場では、「要らなくなったもの」が売られ(従って使用価値が交換され)るため、ひとたびマーケットが終了すると、売れ残ってしまったものは一瞬にして「商品」から「ごみ」へと姿を変え、会場にそれを捨てていく心無い人がいるそうです。

しかし、一方で手作りの品を並べ露天商のようなことをしている若者もおり、そこでは作り手と客とのコミュニケーションがあり、「創造性を共有する」形で売買が成立しているというのです。若者たちがモノを売ること一つとっても、そこには消費社会の行き詰まりと新たな可能性が見えるというわけです。

若者は時代を映す鏡のようなものなのでしょう。本書は若者文化論でありながら、より大きな時代状況を読み解くカギになるのかもしれません。


また、昨今のいじめや自殺、リストカットの問題などを見てみますと、本書のように、学校や教育界という枠を越えて、さまざまな分野からの分析がなされてほしいと思います。



http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】

 

若者はなぜ「繋がり」たがるのか―ケータイ世代の行方

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『若者はなぜ「繋がり」たがるのか - ケータイ世代の行方』武田徹
PHP研究所:251P:1365円

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2 コメント

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Unknown (Mizo)
2006-12-09 19:31:34
携帯は若者だけでなく、今やほとんどの世代に普及しているように見受けられます。
若者に限らず日本人全体のコミュニケーションも変化しているのだろうなと思います。
子供のものだった携帯型ゲーム機も着々と大人を浸食しておりますし。
Mizoさん (VIVA)
2006-12-10 12:15:29
Mizoさんこんにちは。確かにそうですね。子どもたちの方が順応するのが早いだけかもしれません。さまざまな商品のメガヒットが、特定の世代においてのみ生じるという現象は、携帯電話がもたらしたという分析が、今後も成り立つでしょうかね。

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