「おのうさんの実家って、郵便局の並びの家よね」
加藤さんが唐突に言う。
加藤さんから私のことについて聞かれたことがなかったので隠すつもりもないけど自分のことについて話してはいなかった。
なのに、なぜ知っているのだろう?
「なんで、知ってるの?誰に聞いたの??」
「え、ちょっとある人から」
「“ある人”って?」
「うふふ・・・」
狭い世間だ。どこかではつながってはいると思う。
でも、自分が話していないことを他人が知っている、それも『知ってるのよ』と意味ありげに面と向かって言われるのは気持ちいいものではない。
『○○さんから聞いたのよ」などと言われれば、『ああ~あの人』『どういうつながり?』と話が広がり弾むはず。
彼女は、誰から聞いたか具体名を挙げずかえっていや~な雰囲気に。
しかも、私の家ではなく“実家”を知っているという。だから何だ!
別に何かを実家周りで言われても私はやましい事は何もないので勝手にどうぞ。という気持ちになる。
内緒にするほどの話でもあるまいに。
私は、加藤さんが入ってくる前に課長から採用した人は「こういう人」と履歴書をみせられ、ちらりと目を通した。そういう情報は、第3者にしゃべるものでもないし、課長も信用してくれているから見せたと思っている。
以前ハケンで勤めた会社で、私の履歴書が回覧されたことを知りものすごく腹が立ったことがある。しかも、ハケンは、基本的には履歴書というものを派遣会社から派遣先の会社には出さないことになっているのに、派遣先のたっての希望で私の履歴書を渡したのだ。その事情は仕方ないかもしれないが、履歴書を回覧するなんて非常識そのもの。あの頃は、ハケンはまだ一般的じゃなく興味本位だったのかもしれないが、せめて「履歴書をみた」「回覧した」と私に告げなければ私自身は気づかずいやな思いをしなくて済んだはず。
そのような経緯があり、私は、本人に関することは、例え事前に知っていることでも当の本人の口から聞くことにしている。本人も自分がその人に直接話したと思えれば私が、ハケンで味わったようないやな気分はしないと思っているからだ。
自分が明かさないことを知らない間に他人が知っているという恐ろしさ。
加藤さんっていう人は・・・
加藤さんが唐突に言う。
加藤さんから私のことについて聞かれたことがなかったので隠すつもりもないけど自分のことについて話してはいなかった。
なのに、なぜ知っているのだろう?
「なんで、知ってるの?誰に聞いたの??」
「え、ちょっとある人から」
「“ある人”って?」
「うふふ・・・」
狭い世間だ。どこかではつながってはいると思う。
でも、自分が話していないことを他人が知っている、それも『知ってるのよ』と意味ありげに面と向かって言われるのは気持ちいいものではない。
『○○さんから聞いたのよ」などと言われれば、『ああ~あの人』『どういうつながり?』と話が広がり弾むはず。
彼女は、誰から聞いたか具体名を挙げずかえっていや~な雰囲気に。
しかも、私の家ではなく“実家”を知っているという。だから何だ!
別に何かを実家周りで言われても私はやましい事は何もないので勝手にどうぞ。という気持ちになる。
内緒にするほどの話でもあるまいに。
私は、加藤さんが入ってくる前に課長から採用した人は「こういう人」と履歴書をみせられ、ちらりと目を通した。そういう情報は、第3者にしゃべるものでもないし、課長も信用してくれているから見せたと思っている。
以前ハケンで勤めた会社で、私の履歴書が回覧されたことを知りものすごく腹が立ったことがある。しかも、ハケンは、基本的には履歴書というものを派遣会社から派遣先の会社には出さないことになっているのに、派遣先のたっての希望で私の履歴書を渡したのだ。その事情は仕方ないかもしれないが、履歴書を回覧するなんて非常識そのもの。あの頃は、ハケンはまだ一般的じゃなく興味本位だったのかもしれないが、せめて「履歴書をみた」「回覧した」と私に告げなければ私自身は気づかずいやな思いをしなくて済んだはず。
そのような経緯があり、私は、本人に関することは、例え事前に知っていることでも当の本人の口から聞くことにしている。本人も自分がその人に直接話したと思えれば私が、ハケンで味わったようないやな気分はしないと思っているからだ。
自分が明かさないことを知らない間に他人が知っているという恐ろしさ。
加藤さんっていう人は・・・