ときわの広場

ときわ動物病院のコミュニティ。診療のお話やしつけ教室の様子など、ざっくばらんに綴っています。

猫ちゃんの慢性腎不全

2012-12-28 11:07:44 | 院長のつぶやき
こんにちは、岡村です。


干支は、毎年の年賀状を作るときに
あ、今年は「○○」なんだなと思い出します。
どうやってあの12の動物が選ばれたのかは知りません


さて、干支とは関係のない猫ちゃんの疾患の話です。
病院にいるとよく遭遇する疾患の一つに、慢性腎不全という病気があります。


「慢性」は経過の長いことを意味し、「腎不全」は腎臓の構成単位であるネフロンの数が減少したことを意味します。
ネフロンとは血液を濾過し、必要な濾液を再吸収し、不要濾液を尿として排泄するための一塊の構造単位で、
尿細管や微細血管、糸球体などで構成される非常に繊細な組織です。
ネフロン喪失となる原因は、
免疫複合体の沈着であったり、感染、腫瘍、結石、全身性血圧の変化、脱水、加齢など様々です


時間をかけて障害をうけたネフロンは、すり傷が修復するように瘢痕化していきます。
皮膚ならばこれで治癒になるのですが、ネフロンの場合はそうではありません。
瘢痕化してしまうと、ネフロン構造が破綻するので、もとに戻らない障害となってしまいます
なおかつ、障害をし続ける要因があるはずですので、障害を受けるネフロンの数は増え続けます。
これは血液検査で異常がわかります。しかし、初めて異常値となったこのとき既に病態は進行しています。
実に70%のネフロンが喪失しているのです。


異常がみつかれば、
IRISという国際学会が定めるステージ別の診断的目標・治療的目標に従って
ネフロン喪失の原因追求や、特異的療法・腎保護療法・対症療法によって
検査・治療・管理をスタートさせます


慢性腎不全の早期発見は、年令、尿量変化、体重変化、被毛の状態が飼い主さんにはヒントになります。
病院の努力としては、ネフロン喪失を導いてしまう上記のような病態が隠れていないかを
健康診断していくことです。
尿や血液の検査もよい検査ですが、脱水徴候を視診・触診することも大きな出がかりになるはずです。


これは予防接種さえしておけば予防できるような類いの疾患ではありません
けっしてなくならない病気なので、愛猫ちゃんの健康管理をしてあげてくださいね。



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