ときわの広場

ときわ動物病院のコミュニティ。診療のお話やしつけ教室の様子など、ざっくばらんに綴っています。

内分泌科1 猫の甲状腺機能亢進症

2015-02-23 19:06:24 | 院長のつぶやき
こんにちは、岡村です
昨日は春1番でしたが
暖かく過ごし易い気候でしたね
三寒四温で少しづつ暖かくなってくれることに喜びを感じます。
暖かい時も寒い時も体は代謝を行い、体温を維持してくれています
長年、内臓が元気でいられるのは、細胞が代謝を常に行い、
エネルギー産生や細胞の分化を行っているためです。
こういった代謝の活性化の指令を行うのは甲状腺ホルモンです
「代謝」は難しい言葉でイメージしにくいですね。

今回は、内分泌といわれる分野からのお話です。
首のところに甲状腺という器官があり、
外からでも触れるこの器官では、甲状腺ホルモンを合成・分泌しています。
機能亢進症は、甲状腺の機能性腺腫または過形成によってホルモンの合成・分泌が盛んになる状態です
人における甲状腺機能亢進症では、自己免疫疾患であるバセドウ病が有名ですね。

甲状腺機能亢進症では、少しの運動や興奮によってすぐに息があがります
過剰な甲状腺ホルモンが、細胞における酸素消費を増やし、心筋などの運動を過度に増やしてしまいます。
症状は全身性に発症し、過度な代謝は体に悪影響を及ぼします
基礎代謝率上昇(体重減少)、体温上昇、心血管系亢進など
病院には嘔吐、下痢、などが主訴で来院されるケースかまたは、
血液検査によって肝臓酵素値の上昇で疑われ始めるケースがほとんどです
飼い主さんが問題を気づかれずに放置されるケースもたくさんあると言われています。
よく食べるからといって病院には行かないですものね

この亢進症はわんちゃんでは非常に少なく、猫ちゃんに多く発生します
猫ちゃんの甲状腺機能亢進症は、1980年頃には報告されており、
ほとんどの発生は中年から老年の猫ちゃんであり、
現在では、内分泌疾患の中でも広く認識される病気となってきました
血液検査で甲状腺ホルモン値を測定することで、ホルモン過剰な状態か否かは判断できますので中年齢以上の愛猫ちゃんの健康診断や、気になる際には、
一般検査と合わせて測定するとよいと思います。
抗甲状腺薬によって本来の代謝状態に戻すことが治療となり
肥大して腫瘍が疑われる際には、摘出を検討する必要もあります。

加齢のせいにしていた猫ちゃんの行動や様子の変化は、
もしかしたら、過剰な甲状腺ホルモンに影響されているのかもしれません

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