たきいの徒然空想日記

2次創作だったり、思いついた何かを書いていきます。どうぞよろしくお願いします!

TRIGGER 3

2017-05-15 21:50:03 | 二次創作(マクロス)
ミリアと約束した翌日の休憩時間、ハルトは本来チケットを渡す予定だったソーマに一連の流れを説明した。
すると怒られはしなかったのだが、
「それを人は俗に『デート』と言うんだぞ」
「は?」
言っている意味がわからない。
「デートって…ただ仲良くなったやつとユシェのライブに見に行くだけじゃないか」
ハルトの言葉にソーマはぐしゃぐしゃと頭を掻き、
「だーかーらー!ハルト!わかってるのか?年頃の男女が二人、約束をしてお・で・か・け♡なわけだ。どこからどう見てもデートだろ!」
と机をバンバンと叩いた。その音に生徒が数人何事かとこちらに目を向けたが、ソーマに気づいて何もなかったように視線を戻した。恐らく『まぁたあいつらか…』とでも思われているのだろう。
こいつのせいですっかりトラブルメーカー扱いだからな…。
ソーマとの付き合いは中等部の一年からになる。
航空機動学部への進学動機が本人いわく『ハルトが行くなら』というなんとも軽いものだったため一部生徒から反感を受ける事も多々あったのだが、持ち前の器用さとポテンシャルの高さで無事現在まで生き残っているなんともとんでもない人物である。
その結果としてか、現在『変人』や『トラブルメーカー』として周知されている。
そんな他者の評価に気づいているのかいないのか、ソーマは男女関係とは何たるかを長々と語り続けていた。
「くそ!いいなぁ、ついこないだ知り合った女の子と親しくなって次の日にはデートの約束だなんて…」
するとソーマは突然何かに気づいたようにハッと大きく目を見開いて、
「まさかあれか!?少年漫画的展開か!?ここからハルトのハーレムストーリーでも展開される的な…お前何やってるのかわかってるのかハルト!!」
「何も分かんねーよ!」
ゴス!
ツッコミに疲れて思わず物理攻撃にうつってしまった。見るとソーマが机に突っ伏して悶絶していた。どうやらハルトの手刀が脳天にクリティカルヒットしたらしい。
やがてゆるゆると体を起こしながらソーマがじと目で睨みつけてきた。少し目が潤んでいるように見えなくもない。
「…お、前!徒手格闘技の実力がクラス上位な事忘れてるだろ!殺す気か!」
徒手格闘技ならソーマも得意なはずなのだが、まさかの奇襲に迎撃態勢が整っていなかったのだろう。
悪いのはお前なんだけど…。
といいかけるも飲み込んだ。恨めしげな視線は反論を許さないようだ。
ここは素直に謝罪しよう。
「…す、すまん」
「ちゃんと思ってるのか?」
まだ怒ってるぞと言いたげにソーマは顔を背けた。
めんどくさい、が仕方がない。
「悪かったって、反省して…」
「てなわけで後でジュース奢りな!」
「は!?」
ハルトは思わず立ち上がった。
「おい!人が下手に出ているうちに…」
「残念だけど言質は取った」
言いながらソーマは自らの左手をハルトの前に突き出した。
するとピコンという電子音が鳴り、

『…す、すまん
ちゃんと思ってるのか?
悪かったって、反省して…
てなわけで後でジュース奢りな!』

腕時計端末のボイスメモ!?
再生が終わるとソーマは端末をスリープモードに戻した。
「いかなる時もその後に繋がる一手になるかもしれない。手書き書面や写真、そして声。しっかり証拠は固めとかないと!ね、ワトソン君?」
そう言って、舌をチッチッチと鳴らしながら人差し指を左右に振った。
くそ…、この指折ってやりたい。
「全くこの俺に勝とうだなんてできると思ってる?普段は冷静に物事を見れてるけど時として激情型傾向のあるハルトに」
ハルトは頭を抱えた。
…非常に残念だが、ぐうの音も出ない。
なぜなら今までソーマに駆け引きやゲームで勝てた試しがないのだ。本人いわくそれはゲームで鍛えた瞬時の情報処理能力と状況に合わせた判断力の賜物だそうだが、ハルトはこれこそソーマの本質だと考えている。
それは高等部進学当初、『軽い気持ちでやって来たゲーマーでミーハーなハイテンション変人野郎』といった低評価が、訓練時などで発揮されてからは教官さえ一目置く存在へと昇華するほどである。
まぁその長所で突然コメディにシリアスをぶっ込んだり、
「そんな説教受けても反応に困るんだが…」
するとソーマはわざとらしく肩をすくめた。
「全く…、でもそんなハルトと一緒にいるから俺は冷静を保っていられるんだと思うよ、感謝しないとな…。
ハルトの個性だ!自信持ってくれ!大好きだよ!」
「お前は今俺を褒めているのか?蔑んでいるのか?」
思わず眉を寄せたが、
「まぁ、とりあえず先ほどの契約は成立って事で昼休み購買な!」
あぁ、なんて晴れ晴れしい笑顔…。ハルトは思わず皺の寄った眉根を抑えた。
しかし、ソーマはそこで終わらしてはくれなかった。
「で、友達男女二人で出かけるなんてこのご時世珍しいと思うんだが?そういうのは一般的に『デート』って言うんじゃないのか!?」
「またその話かよ!?」
「当たり前だろ。女っ気のなかったお前に突如のスキャンダル!一部の生徒の間じゃハルトって実は『ボーイズ…なやつ』かもって説も流れてたんだぞ」
「…!?」
思わず周囲の生徒に目をやると、その場にいた生徒が皆一斉に視線を逸らした。なんだろう、目眩がする…。
「まぁ面白かったから否定しないでおいたんだけどさ!」
「否定しろよ!」
思わずまた物理的攻撃に移ろうとソーマの頭部目がけて手刀を振り下ろしていた。
が、
「二度目はないよ♡」
ソーマは右手を盾にしてハルトの手を受け流した。その顔に安堵と苛立ちがこみ上げて、大きなため息が漏れる。
「そんなわけだから俺としては待ってましただよ!親友のお前に恋愛イベントが起きるだなんて面白が…応援しないわけにはいかないだろ!」
…お前、本音漏れてるぞ。
しかしハルトが口を開いたのと同時にチャイムが鳴り始め、教師が教室に入ってきた。休憩時間は終わりのようだ。
横向きに座っていたソーマが居ずまいを正したのを見て、ハルトは教科書を取り出そうとカバンに手を伸ばした。と突然腕時計型端末のディスプレイが光を放った。
メッセージ通知画面か。
教科書で隠しながら周りにバレないように内容を確認すると予想通り、ソーマである。ご丁寧に顔文字付きだ。
『もしもその子と本気恋愛するってなったらちゃんと応援するからな!』
『応援する』?じゃあ隣でヒューヒュー冷やかしながら大爆笑してるソーマが浮かぶのは何故だ?
教師にバレないように漏れる笑いを抑えながら、ハルトは返信メッセージを記入した。
『残念だがミリアはただの友達だ。お前の求める展開はないよ』
そして思い出した、これをまだ聞いてない。
『で、約束のジュースは何がいいんだ?』
メッセージ送信完了を確認すると、ハルトは腕時計型端末の通知をオフにした。
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