新年あけましておめでとうございます。
旧ブログ「兵隊芸白兵」の開設が平成21年ですので、なんと今年で弊ブログも8年目となります。こんなに続くとは思わなかった…それだけ私は不平不満の多い野郎なんでしょうね(-_-;)。
さて、新年を迎えて、皆様も心新たになにがしかの目標や誓いなどを立てたことと思われますが、本厄を迎えた(本日お祓いに行ってきました)私の今年の抱負は「技術はガリガリにとがった二等辺三角形を目指す」「体力は底辺の大きな台形を目指す」です。
あと1、2日で平成29年を迎えるという年の瀬、私は地元山口県柳井市の書店で、ある衝撃の1冊に出合いました。
あの、ロンドンオリンピックで大恥をさらしまくった全日本男子柔道を、再び世界のトップに戻してくれた名将・井上康生監督が、リオに向って取り組んだすべてを、平易な文章で余すところなく記載した「改革」(ポプラ社)。
その中には、私が若い頃に主張したくてもうまくまとめられなかった話、自分自身がショボかったため説得力がなかったけど、「違う、そうじゃない!」と強く思っていた話などが非常にたくさん、しかも平易な言葉でまとめられており、頷首するところ多すぎ!でした。
しかも、その改革の内容が「リオ前夜」「意識改革」「メンタル」「技術、戦略」「フィジカル・コンディショニング」「組織」リーダー」「情報と代表選考」と、項目ごとにキチンと整理されており、極めて読みやすい構成となっております。
その中で私がもっとも「そうだ!」と大いに膝を打ったのは、「単純な体力測定の結果が良い=強さではない」というものです。
同著によりますと、柔道のナショナルチームは毎年1回、国立スポーツ科学センターで体力測定をしているそうで、「測定項目は身長、体重、筋肉量といった基礎情報から、敏捷性(四方向ジャンプ)短距離(100m)中距離(400m)長距離(1500m)スクワットやワンハンドダンベルスナッチ、ベンチプレスや懸垂、上体起こしなど」を行うそうです。
この測定結果を過去の測定結果、あるいは順位ごとにナンバリングしたとき、こんなことが分かったそうです。
・過去のメダリストと現在のナショナルチームメンバーとの間に、顕著な差異は見られない。つまり、ナショナルチームに選ばれるような面子の体力は、だいたい底辺が同じということが判明。
・五輪・世界選手権メダリストや入賞者の中に、全ての項目で1位を取るような選手は全くいなかった。つまり、「測定項目の数値がスゴい=メダルが取れる」という仮説は成り立たない
これをふまえ、井上監督は「本人の数字の上だけに現れる体力測定値だけでその人間の強さは測れない」と仮説を立て、強化に取り組んだと書かれていました。
私が、うちの会社で最も格闘能力が必要と言われる泉州支社に入社したころ、体力測定は6キロ走、20m往復走、垂直跳び、懸垂、握力、背筋力、ベンチプレスといったものでした。
これは今考えましても、職種の特性を勘案したすばらしいもので、私は喜んで取り組んでおりました。
それがあるときを境に、文部省の体力測定(1500m、腕立て、上体起こし、垂直跳び、懸垂)に変わりました。
文部省検定にはパワー系の種目はないに等しく、これについては「格闘には瞬発的なパワーの発揮は大いに必要であり、体重無差別な制圧にそれ欠いてはならない」と考える私にとっては大いに不満なことでした。
しかし、しょせん机上で数字をもてあそぶことしかわからない幹部は結局それを無批判・無関心に採用。もともと泉州支社はガチで武道・格闘技をする人間を粗雑に扱う社風が蔓延していたところ、この「改悪」が追い風となり、以後、泉州支社から見た目にすごみのある社員は、1人を除いて一切いなくなりました。
すべては呉の「患部」学校を卒業しただけで偉くなったアホウが、「体力の数字がすばらしい=強い社員」と勝手に思い込んだことが生んだ悲劇としか、いいようがありません。
泉州支社時代、恐縮ながら私は、こと徒手になれば、寝ても立っても、F原先輩以外ならどんな社員でもボコボコにやっつける自信がありました。
しかし、新体力測定になって以降、瞬発系が惨憺たる結果の私に対して「結局瞬発系の体力が全然ないじゃん」という視線が突き刺さるようになり、上の人間もそういう目でしか、私を見なくなりました。
しかし格闘技や武道とはきわめて深遠なもので、ただ足が速い、ただ力があるというだけで「強い」という、デジタルなものではないのです。
折に触れてそのことを「実戦」で示しはしましたが、結局、バ患部のいう社風に乗った社員が、その深遠な世界を覗き見る機会は永遠にありませんでした。
まあ、10年以上前の繰り言ですが…(-_-;)
私は井上監督の著書を読んでから、「大きくとがっていない台形の体力」つまり、「どこか1か所が突出している」ではなく、「穴がなく、かつ、どこかが優れている体力」の上に、「何かが大きくとがっている技術」が乗っかることが、よりよい武道・格闘技の姿になるのではないかと考えるようになりました。
なんつったって、柔道のナショナルチームがそれで成功し、逆にうちの会社がそれを足りない頭で誤認して失敗しているのですから、説得力はあると思います。
今年の私は「台形の体力」に、「先が鋭角にとがった三角形の技術」を旨に、頑張っていきたいと思っております。
あとは…健康に酒を飲んで、異動くらいかな??????
旧ブログ「兵隊芸白兵」の開設が平成21年ですので、なんと今年で弊ブログも8年目となります。こんなに続くとは思わなかった…それだけ私は不平不満の多い野郎なんでしょうね(-_-;)。
さて、新年を迎えて、皆様も心新たになにがしかの目標や誓いなどを立てたことと思われますが、本厄を迎えた(本日お祓いに行ってきました)私の今年の抱負は「技術はガリガリにとがった二等辺三角形を目指す」「体力は底辺の大きな台形を目指す」です。
あと1、2日で平成29年を迎えるという年の瀬、私は地元山口県柳井市の書店で、ある衝撃の1冊に出合いました。
あの、ロンドンオリンピックで大恥をさらしまくった全日本男子柔道を、再び世界のトップに戻してくれた名将・井上康生監督が、リオに向って取り組んだすべてを、平易な文章で余すところなく記載した「改革」(ポプラ社)。
その中には、私が若い頃に主張したくてもうまくまとめられなかった話、自分自身がショボかったため説得力がなかったけど、「違う、そうじゃない!」と強く思っていた話などが非常にたくさん、しかも平易な言葉でまとめられており、頷首するところ多すぎ!でした。
しかも、その改革の内容が「リオ前夜」「意識改革」「メンタル」「技術、戦略」「フィジカル・コンディショニング」「組織」リーダー」「情報と代表選考」と、項目ごとにキチンと整理されており、極めて読みやすい構成となっております。
その中で私がもっとも「そうだ!」と大いに膝を打ったのは、「単純な体力測定の結果が良い=強さではない」というものです。
同著によりますと、柔道のナショナルチームは毎年1回、国立スポーツ科学センターで体力測定をしているそうで、「測定項目は身長、体重、筋肉量といった基礎情報から、敏捷性(四方向ジャンプ)短距離(100m)中距離(400m)長距離(1500m)スクワットやワンハンドダンベルスナッチ、ベンチプレスや懸垂、上体起こしなど」を行うそうです。
この測定結果を過去の測定結果、あるいは順位ごとにナンバリングしたとき、こんなことが分かったそうです。
・過去のメダリストと現在のナショナルチームメンバーとの間に、顕著な差異は見られない。つまり、ナショナルチームに選ばれるような面子の体力は、だいたい底辺が同じということが判明。
・五輪・世界選手権メダリストや入賞者の中に、全ての項目で1位を取るような選手は全くいなかった。つまり、「測定項目の数値がスゴい=メダルが取れる」という仮説は成り立たない
これをふまえ、井上監督は「本人の数字の上だけに現れる体力測定値だけでその人間の強さは測れない」と仮説を立て、強化に取り組んだと書かれていました。
私が、うちの会社で最も格闘能力が必要と言われる泉州支社に入社したころ、体力測定は6キロ走、20m往復走、垂直跳び、懸垂、握力、背筋力、ベンチプレスといったものでした。
これは今考えましても、職種の特性を勘案したすばらしいもので、私は喜んで取り組んでおりました。
それがあるときを境に、文部省の体力測定(1500m、腕立て、上体起こし、垂直跳び、懸垂)に変わりました。
文部省検定にはパワー系の種目はないに等しく、これについては「格闘には瞬発的なパワーの発揮は大いに必要であり、体重無差別な制圧にそれ欠いてはならない」と考える私にとっては大いに不満なことでした。
しかし、しょせん机上で数字をもてあそぶことしかわからない幹部は結局それを無批判・無関心に採用。もともと泉州支社はガチで武道・格闘技をする人間を粗雑に扱う社風が蔓延していたところ、この「改悪」が追い風となり、以後、泉州支社から見た目にすごみのある社員は、1人を除いて一切いなくなりました。
すべては呉の「患部」学校を卒業しただけで偉くなったアホウが、「体力の数字がすばらしい=強い社員」と勝手に思い込んだことが生んだ悲劇としか、いいようがありません。
泉州支社時代、恐縮ながら私は、こと徒手になれば、寝ても立っても、F原先輩以外ならどんな社員でもボコボコにやっつける自信がありました。
しかし、新体力測定になって以降、瞬発系が惨憺たる結果の私に対して「結局瞬発系の体力が全然ないじゃん」という視線が突き刺さるようになり、上の人間もそういう目でしか、私を見なくなりました。
しかし格闘技や武道とはきわめて深遠なもので、ただ足が速い、ただ力があるというだけで「強い」という、デジタルなものではないのです。
折に触れてそのことを「実戦」で示しはしましたが、結局、バ患部のいう社風に乗った社員が、その深遠な世界を覗き見る機会は永遠にありませんでした。
まあ、10年以上前の繰り言ですが…(-_-;)
私は井上監督の著書を読んでから、「大きくとがっていない台形の体力」つまり、「どこか1か所が突出している」ではなく、「穴がなく、かつ、どこかが優れている体力」の上に、「何かが大きくとがっている技術」が乗っかることが、よりよい武道・格闘技の姿になるのではないかと考えるようになりました。
なんつったって、柔道のナショナルチームがそれで成功し、逆にうちの会社がそれを足りない頭で誤認して失敗しているのですから、説得力はあると思います。
今年の私は「台形の体力」に、「先が鋭角にとがった三角形の技術」を旨に、頑張っていきたいと思っております。
あとは…健康に酒を飲んで、異動くらいかな??????
術したって現役はとっくにリタイヤした身、出来る鍛錬をする毎日です。仕方ありませんな(*'ω'*)
かなりな鍛錬の末の故障部位につきましては、ぜひご自愛下さいませ。
私も、武道・格闘技とフィジカルとの相関関係、あるいは異種の武道・格闘技の関係性について調べるのは大好きです。また新たに仮説がまとまりましたら、愚見を承知でお話させて頂きます。よろしくお願い致します。
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