リカバリー志向でいこう !  

精神科医師のブログ。
弱さを絆に地域を紡ぎ、コンヴィヴィアルな社会をつくりましょう。

ボスマネジメント

2006年07月20日 | Weblog
 自分はおそらく自閉系のスペクトラムの端にいるか、大人のADHDである。記憶障害、注意障害、遂行機能障害、睡眠発作(ナルコレプシー)がありワーキングメモリーが他人より少ないため、さまざまなアィディアを用いて遂行機能を発揮しないと社会適応できない。電話を受けるといままでやっていたことを忘れてしまう。ギリギリまで手をつけず締め切りに間に合わない。集中力が持続せず、すぐに違うことに手を出してしまう。
 しかし、今は仕事でもいろんなことを同時平行してやっていて、しかもマネジメントにも関わるようになり大変だ。本当は構造化された環境の中でひとつの集中してことをやりたいのだが人手が足りず、マルチに動かざるを得ない。 「段取りとは時間に意思をあたえること」「戦略とは何をしないかを決めること。」だそうである。本当は自分の給料の6割を出しても高次脳機能を補完する私設秘書に一日に数時間でもついていてもらえばどんなにいいかと思うが日本にはあまりそんな習慣が無いので(いいと思うが)代償方略の鬼にならなくては日常業務が遂行できない。
 時間管理術、手帳利用術には相当はまったが、現在は「ほぼ日手帳」+自作のディリーシート利用に落ち着いている。しかしまだまだ時間を使いこなせていない状態であり、秘書代わりのコンピューターを利用してもう少しうまくできないものかと思うが機動性、形態性、一覧性などに難があり職場のグループウェアのスケジュールも、アウトルックなどもいまひとつしっくりこない。職場環境の構造化、業務のシンプル化、見える化、情報共有もさらにすすめ、業務の分担をおこなっていかなくてはならないし、自分の脳や体の特性にあった時間や業務の進め方をみつけていかなくてはならない。

 最近ヒットのキーワードを紹介する。

 ※GTD(Getting Things Done)
ストレスフリーの仕事術、Lifehackなど本に詳しいが、全てのToDo(すること、やりたいこと)を書き出して定期的にレビューするというこの方法論はかなりすばらしい。できるだけシンプルに頭を軽くして自分の中の声、外の声に耳を澄ましながら自分のミッションを追い求めていきたいものだ。

 ※ボスマネジメント
 欧米のビジネススクールでもボスマネジメントという考え方を教えられるらしい。上司(ボス)にはキャリアコーチ、アセッサー、トラブルシューター、スタンパー、ハイパープロフェショナル、コ・ワーカー、ネットワーカーの7つの機能があるそうで自分の仕事をベストにもっていくために上司をどう使うのかと考えたときに上司は経験をもった知的データーベースであり、意思決定時のヒントボックスであり、自分を磨くためのジョブトレーニングツールなのだそうで、「活用する」意識をもつことが重要だそうだ。

 以下の2つはSEの友人に教えてもらった戦略。もう少し研究して活用して行きたい。

 ※Work Breakdown Structure
 プロジェクトマネジメントで計画を立てる際に用いられる主要なツール。プロジェクトの成果物あるいは仕事(work)を詳細区分(breakdown)して階層構造(structure)化した図表、あるいはその図表によってプロジェクトのスコープ(範囲)全体とその中で作られる成果物ないしは作業の関係を体系的に集約・把握する手法のこと。分解された個々の部分を構成する一連の作業のかたまりのことを「ワークパッケージ」と呼ぶ。WBSが完成すると、すべてのアクティビティ(実際に行わなければならない作業)が定義されたことになる。これがすべて実施されれば、プロジェクトは完了となる。それぞれのアクティビティには、所要時間/コスト/資源などが割り当てられるので、プロジェクトを定量的に管理することが可能になる。個人レベルでもこのアイディアは活かせそうだ。(自作のディリーシートはこの構造になっている。)また医療現場のクリニカルパス、リハプログラムにもこの考えは活かせそう。

 ※Intelectual Capital Management
“知識”“人材”“信頼”など、財務諸表に表れることのない目に見えない資本、すなわち知的資本(intellectual capital)を中心的な経営資源としてとらえ、企業の成長と価値創造を実現しようという経営モデルのこと。医療現場の知識や経験を共有、蓄積するための巨大データーベースを国家戦略としてつくってほしいものだ。また、そういった資産をリアルタイムで活かすために院内どこでもインターネットに接続できるようにしてほしい。一方、人材や信頼、人的ネットーワークなどの資産については病院の経営者はどう考えているのだろうか?どのように評価すればいいのだろうか? 病院の経営を担当するものはMBAをとれとまでは言わないが経営学やマーケッティング等のビジネス戦略も勉強すべきだろう。ヒントになることはいっぱいある。

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