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私たちは、ヒマラヤ山脈のてっぺんに棲んでいる。

2012年12月01日 21時06分37秒 | 自然環境

環太平洋火山帯に位置する日本列島。その東側に広がる太平洋の大部分を占める《大洋底》と呼ばれるところは、海水深平均5000メートルだ。

その、大洋底から、日本列島を見上げれば、日本アルプスは標高8000メートルの高峰になる。まさしくヒマラヤ山脈に匹敵する。

さらに、日本海溝の底から、日本列島を見上げれば、日本は標高10000メートルの世界一の大山脈になるのである。

ヒマラヤ山脈と、日本列島の断面図を比較してみると、その形も規模も大変酷似していることがわかる。

ヒマラヤ山脈と、日本列島の違いは、海水面との位置関係であり、日本山脈は海水面にわずかに頭を出している「海洋ヒマラヤ山脈」だとも言えるのだ。

しかも、それはここ数百万年の間に急上昇して姿を現したのである。

この認識に立って、日本列島を見れば、おのずと私たちの「列島観」も変わってこよう。

海中に没している部分が見えないから気が付かないだけなのである。海水による浸食作用は、海水面レベルまでしか及ばない。この部分が、ヒマラヤと日本列島の決定的な違いでもある。そう、8000メートルを削る力と、3000メートルを削る力の相違である。

日本列島では、雨水が山地を侵食して出される土砂は、川を下り、山麓に堆積して小さな扇状地をつくり、沿岸に渚を作る。日本列島の「平野」とは、山地と水と海域の絶妙なバランスによって生み出されたものなのだ。

ヒマラヤや日本列島を隆起させ続けている地殻プレートの莫大なエネルギーは、歪となって蓄積され続け、巨大地震や火山の大噴火を引き起こすことは周知のとおりである。

近代日本は、便利と快適さとカネを追い続け、その列島の立地条件を忘れて、山を削り谷を埋め沿岸の海を埋め立てるという「巨大な列島自然改造」を国策として続けてきた。

繰り返される巨大地震と自然災害の中で、私たちが本当に学ばなくてはならないことは何であろうか。2011.3.11は、どんな教訓を残したのであろうか。

世界的にも、開発は美徳であるという時代は終焉して久しい。私たちの棲む、日本列島はヒマラヤの頂上付近であることを認識すれば、私たちは、もっともっと自然の摂理に対して謙虚になることが必要であろう。

解ろうとしない者に、鉄槌は振り下ろされるのである。。。

核開発・原子力核発電は、この列島の仕組みに対して改めて真摯に対峙し、即時廃止廃炉にしていく選択を迫られていると断言して良い。


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