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広島市長、核廃絶に「Yes, we can.」(ヒロシマ平和宣言)

2009年08月07日 | 国際・政治

8月6日、市民など約5万人が参列して広島市の平和記念公園で、平和記念式典(原爆死没者慰霊式、平和祈念式)が行われました。
今年4月、オバマ米大統領が「核兵器のない世界」を宣言したことから、核兵器廃絶に向けてかつてない期待に満ちた「原爆の日」となりました。「平和宣言」を行った秋葉忠利広島市長は、オバマ米大統領への支持を表明し、核兵器廃絶について「Yes, we can.(絶対にできる)」と「平和宣言」では初めての英語で宣言の最後を締めくくりました。

午前8時に始まった式典には、過去最多となる59ヵ国の海外代表が参列。この1年間に亡くなったり、死亡が確認された方5639人を加えた原爆死没者名簿3冊が慰霊碑に納められました。今回新たに作成された「長崎原爆死没者名簿(広島奉納希望者)」1冊(4人分)も含め、名簿は計96冊となり、記載された死没者は26万3949人となりました。
遺族代表やこの日のために来日したデスコト国連総会議長らが献花した後、原爆が投下された午前8時15分、遺族代表が「平和の鐘」を打ち鳴らすなか、参列者全員が1分間の黙とうをささげました。

次に「平和宣言」に立った秋葉市長は「私たちの世代が核兵器を廃絶しなければ、次の世代への最低限の責任さえ果たしたことにならない」と述べ、日本政府が核兵器廃絶運動の旗手として世界をリードすべきだとその主導的役割を求めました。オバマ米大統領を支持する世界の多数派を「オバマジョリティー」と呼ぶとともに、「その思いは、世界的評価が益々高まる日本国憲法に凝縮されている」とも述べました。そして最後に「Together, we can abolish nuclear weapons.  (力を合わせれば核兵器は廃絶できます)Yes, we can.(絶対にできる)」と英語で宣言を締めくくりました。

つづいて、子ども代表として市内小学校の女の子と男の子が「核兵器を放棄する本当の強さを持つために、真実を見つめ、世界の人々に平和への思いを訴え続ける」という「平和への誓い」を読み上げました。

式典に参列した麻生太郎首相は、挨拶で「日本は核兵器の廃絶と恒久平和の実現に向けて、国際社会の先頭に立っていくことを誓う」と述べました。

またこの日、麻生首相は、広島市内で、原爆症認定集団訴訟の全面解決に向け、全員を対象とする救済策を盛り込んだ確認書に調印をしました。全国の被爆者はこの3月末現在で前年同期より8123人少ない23万5569人。平均年齢は昨年より0・78歳上がり75・92歳となっています。

以下、秋葉広島市長の「平和宣言」全文を掲載します。

<平 和 宣 言>=====================================

人類絶滅兵器・原子爆弾が広島市民の上に投下されてから64年、どんな言葉を使っても言い尽せない被爆者の苦しみは今でも続いています。64年前の放射線が未だに身体を蝕み、64年前の記憶が昨日のことのように蘇り続けるからです。
幸いなことに、被爆体験の重みは法的にも支えられています。原爆の人体への影響が未だに解明されていない事実を謙虚に受け止めた勇気ある司法判断がその好例です。日本国政府は、「黒い雨降雨地域」や海外の被爆者も含め高齢化した被爆者の実態に即した援護策を充実すると共に、今こそ省庁の壁を取り払い、「こんな思いを他の誰にもさせてはならぬ」という被爆者たちの悲願を実現するため、2020年までの核兵器廃絶運動の旗手として世界をリードすべきです。
今年4月には米国のオバマ大統領がプラハで、「核兵器を使った唯一の国として」、「核兵器のない世界」実現のために努力する「道義的責任」があることを明言しました。核兵器の廃絶は、被爆者のみならず世界の大多数の市民並びに国々の声であり、その声にオバマ大統領が耳を傾けたことは、「廃絶されることにしか意味のない核兵器」の位置付けを確固たるものにしました。
それに応えて私たちには、オバマ大統領を支持し、核兵器廃絶のために活動する責任があります。この点を強調するため、世界の多数派である私たち自身を「オバマジョリティー」と呼び、力を合せて2020年までに核兵器の廃絶を実現しようと世界に呼び掛けます。その思いは、世界的評価が益々高まる日本国憲法に凝縮されています。
全世界からの加盟都市が3000を超えた平和市長会議では、「2020ビジョン」を具体化した「ヒロシマ・ナガサキ議定書」を、来年のNPT再検討会議で採択して貰うため全力疾走しています。採択後の筋書は、核実験を強行した北朝鮮等、全ての国における核兵器取得・配備の即時停止、核保有国・疑惑国等の首脳の被爆地訪問、国連軍縮特別総会の早期開催、2015年までの核兵器禁止条約締結を目指す交渉開始、そして、2020年までの全ての核兵器廃絶を想定しています。明日から長崎市で開かれる平和市長会議の総会で、さらに詳細な計画を策定します。
2020年が大切なのは、一人でも多くの被爆者と共に核兵器の廃絶される日を迎えたいからですし、また私たちの世代が核兵器を廃絶しなければ、次の世代への最低限の責任さえ果したことにはならないからです。
核兵器廃絶を視野に入れ積極的な活動を始めたグローバル・ゼロや核不拡散・核軍縮に関する国際委員会等、世界的影響力を持つ人々にも、2020年を目指す輪に加わって頂きたいと願っています。
対人地雷の禁止、グラミン銀行による貧困からの解放、温暖化の防止等、大多数の世界市民の意思を尊重し市民の力で問題を解決する地球規模の民主主義が今、正に発芽しつつあります。その芽を伸ばし、さらに大きな問題を解決するためには、国連の中にこれら市民の声が直接届く仕組みを創る必要があります。例えば、これまで戦争等の大きな悲劇を体験してきた都市100、そして、人口の多い都市100、計200都市からなる国連の下院を創設し、現在の国連総会を上院とすることも一案です。
被爆64周年の平和記念式典に当り、私たちは原爆犠牲者の御霊に心から哀悼の誠を捧げ、長崎市と共に、また世界の多数派の市民そして国々と共に、核兵器のない世界実現のため渾身の力を振り絞ることをここに誓います。
最後に、英語で世界に呼び掛けます。
We have the power.  We have the responsibility.  And we are the Obamajority.
Together, we can abolish nuclear weapons.  Yes, we can.
 
               2009年(平成21年)8月6日  広島市長 秋葉忠利

(注)英語部分の訳は次のとおりです。
「私たちには力があります。私たちには責任があります。そして、私たちはオバマジョリティーです。力を合せれば核兵器は廃絶できます。絶対にできます。」

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風化のなかオバマ宣言 (ボバッチ)
2009-08-07 08:17:44
風化のなかオバマ宣言
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