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水辺童話:みずうみのばけもののはなし1

2017年06月13日 | 物語
「水辺童話」真都葉の本棚シリーズ



【みずうみ の ばけもの の はなし】



むかし、むかしの
ある日のこと。
何も無かったこの世界に、1つの大きな湖ができました。

水辺には人々が集まり、
やがて、彼らは8つの一族になりました。

それだけの数になれば
仲良く出来る人と、
どうしても気が合わない人というのが
出てくるものです。

仲の良い一族は隣どおし、
悪い一族は離れたところに、
そうやってほどよい距離をとって
彼らは暮らしていくことにしました。

まぁ、隣に暮らすことで
お互いの悪いところが見えてしまい
何だか上手くいかない所もありましたが、

こちらもそう。

お互いの文句をこっそり言いながらも
干渉しなければ良いだけです。

「今度はいつ会えるかなぁ」

男は言いました。
彼は湖の西側で暮らしています。

「次の新月の夜はどうでしょう?」

女は答えます。
彼女は湖の東側で暮らしています。

二人が話しているのは
湖の真ん中にある小さな島です。

西と東の一族は仲が悪かったので
二人は月明かりもない新月の晩に
そこで、こっそりと会っていました。

本当は一緒に暮らしたいけれども
こうやって会うのが精一杯でした。

「「それじゃあ、また」」

いつものように二人は手を振って別れます。

今度会うときは何を話そう。
素敵な花を見つけたのでプレゼントしよう。
美味しいお菓子を持って行こう。

次の深夜の晩まで。
それを楽しみに二人は過ごします。

ところが、
その日はどんなに待っても彼女が現れません。
彼女は新月の暗闇の中で
舵取りを誤り、湖に転落してしまったのです。
彼はいつまでも来ない彼女を待っていましたが
やがて、日が昇るのをその目で見届けると
湖の中にその身を投げました。

それからひと月も経たない頃、
湖には大きな化け物が現れるようになりました。

熊ほどの大きさで
全身がヘドロにまみれており
突然水の中から現れ
湖を渡る舟を襲うようになりました。

岸辺にいても危険です。

今まで湖に頼り切って生活をしていた人々は
たいそう困り果ててしまいました。


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