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「水辺ノ夢」169

2016年12月20日 | 物語「水辺ノ夢」

「……気のせいかしら?」

真都葉は木のおもちゃに夢中になっている。

「準備手伝おうか?」
「大丈夫、それより真都葉を見ていて」

杏子は台所に向かう。

圭はお茶を飲みながら、
椅子に座る。

「………」

が、考え直して
そのまま真都葉の近くに腰を下ろす。

真都葉が触らないように、
危ない物は杏子が片付けてくれている。
それでも
暖炉に火を灯すようになったので
更に気をつけなくてはいけない。

まだ、真都葉はその場でもぞもぞと
動くことしか出来ないがそのうちに、きっと。

「おっと」

掴みきれなかったのか、
おもちゃが投げ出される。

床を滑り、
圭の近くに転がる。

「………」

真都葉は
両手で、上半身を支え、
圭の方を見つめている。

笑う。

「ほら、こっちだよ」

圭は、おもちゃをふり
真都葉を呼ぶ。

「おいで」

真都葉は首を傾げるが
圭は動かない。

真都葉が手を前に伸ばす。

「杏子」

圭の声に、杏子が駆けつける。

「どうしたの、圭」
「真都葉、もしかして」
「もしかして」

圭は少し興奮している。

「ハイハイするかも!!」

「……え!!」

杏子も驚いて真都葉を見る。

「そうなの? 真都葉」
「だと思うけど。
 そんな時期かな? 早い?」
「どうなのかしら?
 早い子ならば、もしかして」

二人にとって、真都葉は最初の子。
それに、子どもを持った知り合いも居ない。
普通はどうなのか、
何も分からない。

「ほら、おいで真都葉」

杏子が、圭が
真都葉を呼ぶ。

真都葉は二人に手を伸ばす。
腰を捻るように足を動かす。

「真都葉」
「真都葉!!」

ずっ、っず。

後ろに下がっていく。

「………」
「……ま」
「………えぇええ」

こちらにやってくると思っていた二人は
慌てて駆け寄る。

「え?え?え?」

圭がどうなっているの、と
杏子を見る。

「手と足の動きが
 上手くあっていないだけ
 なのだと思うけど」

ねぇ、
困った様に言う杏子に
圭は思わず吹き出す。

つられて杏子も笑い出す。

「真都葉
 上手に下がれたな」
「お父さんが意地悪ね。
 次は上手に進めるわよ」

はい、と
杏子が真都葉を圭に預ける。

「もうすぐ夕飯ができあがるから。
 今日は真都葉がハイハイをはじめた
 お祝いをしなきゃね」



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