昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

三鷹通信(203)第24回読書ミーティング(1)

2017-07-23 03:32:02 | 三鷹通信
 昨日は現役編集者が主宰する読書ミーティングだった。
 講師推薦本(1)又吉直樹「劇場」
 演劇を通して世界に立ち向かう永田と、その恋人の沙希。
 夢を抱いてやってきた東京でふたりは出会った。・・・
 「火花」より先に書き始めていた又吉直樹の作家としての原点にして、書かずにはいられなかったたったひとつの不器用な恋。
 夢と現実のはざまでもがきながら、かけがいのない大切な誰かを想う、切なくも胸に迫る恋愛小説。
 前作の「火花」で獲得した読者が発売後すぐに購入することを見込んで異例の初版30万部で刊行。
 新潮社創業120年の歴史て、単行本としては村上春樹作品に次ぐ史上2番目の初版部数。
 5月22日付の「オリコン週刊ランキング」で総合1位を記録。
 また、紀伊国屋書店、三省堂書店、TUTAYA BOOKSをはじめ、国内主要書店チェーンでも軒並みランキング1位を独占。
 ちなみにデビュー作「火花」の売り上げは累計283万部!
 芥川賞受賞作品としては村上龍「限りなく透明に近いブルー」を抜き、歴代第1位!
 文芸春秋刊行物としては歴代2位の単独発行部数となった。
 1位は? 「マジソン群の橋」なんだって。
 又吉直樹
 新潮社は、時代を代表する作家にしたい1番手だという。
 これまで、川端康成、三島由紀夫、大江健三郎、村上春樹と、新潮社が育てたその時代を代表する純文学のスターにしたい作家だというが・・・。
 スゴイ期待値だね。
 次作が問われるところだ。     

 「劇場」に対する感想。
 *講師によれば、読んでいてつらくなる。
 演劇の脚本を書く主人公の自意識過剰、コンプレックス、弱さ、他人の才能への嫉妬。自分の難しさをあたりちらす身勝手な人となり。
 女の子には愛想をつかされる。女の子は心を痛み、二人に未来はない。
 しかし、作品の奥底にはピュアな印象が確かにある。

 *Amazonレビュー
  主人公の永田に愛せるところがひとつもなかった。
  言葉の使い方も不誠実に見えて不快だった。
  登場人物の存在感、説得力が希薄で期待外れだった。
  リアリティがないので物語に入り込めない。
  有名人が知名度を利用して売っているだけなんだ。

  ・・・きびしいね、これではボクも読む気はしない。

  最初の3行に作者の深い黙想の姿が窺えました。
  こんなに切なくて、こんなに美しい恋愛小説は久しぶり。
  
  ・・・なんて好意的な評価もあるようだが。・・・



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