昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

サイボーグとなって還ってきたレロレロ姫(19)石田愛イン熊本(6)

2016-10-17 04:46:21 | 還ってきたレロレロ姫
「さあ、行こうか」
 宮司は愛にバックを背負わすと、実の娘を従わすように歩き出した。
 駐車場に留めてあったシルバーのレクサスに彼らは乗り込んだ。
 
 ・・・いくらお金を持っているんだ・・・
 ゆったりとした助手席に身を沈めると、愛はあらためて宮司の顔を眺めた。      
 ・・・神にお仕えする身というより、金儲けに精出す単なるオヤジじゃないか・・・

 街に出ると窓の外にちらっと熊本城が見えた、 
 
「あれ壊れたんでしょう?」
 愛はオヤジにあの時の悲惨な地震を思い起こさせるように声をかけた。 
「ああ、熊本城ね。すぐ修復するよ」
 こともなげなオヤジの返事に愛はムカッとした。
「熊本のシンボルが壊れたってことはたいへんなことじゃない!」
「いや、遠目にはなんでもなかったように見えるし・・・」
 オヤジがハンドルを切ると熊本城は視界から消えた。

「上から見ると、シャチホコは無くなってるし、悲惨なものよ・・・」
 
「上から見ると?」
 オヤジが疑わし気な顔を愛に向けた。
「だれも上からなんか見ないよ」
 オヤジは思い直したように素っ気なく言った。
「すべてを元通りにするには十年以上かかるらしいじゃない・・・」
 愛は対抗心むき出しに声を高めた。

 ─続く─

 <好奇心コーナー>
 
 熊本地震から半年、久しぶりに再会してアパートの大家と抱き合う東海大生。
 
 あの地震で阿蘇南村の2階建てのアパートの1階部分が崩壊して、東海大生2名が死んだのだ。

 
ジャンル:
小説
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« サイボーグとなって還ってき... | トップ | サイボーグとなって還ってき... »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL