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2007年01月27日 対戦車自走砲ホルニッセ(ナースホルン)について。

2007-11-30 01:42:37 | スケッチ

 架空戦車、Ⅲ/Ⅳ号駆逐戦車の項で引き合いに出されているホルニッセについて
紹介します。
 ホルニッセ(すずめばち)は1942年に製造が開始され、最終的に493輌が完成
しています。1944年、ヒトラーの命令でナースホルン(さい)と名称変更されて
いますが、全く同じ物です。
 主砲の88mmPak43/1は、後にキングタイガー戦車やヤクトパンターの主砲にも
使われた強力な砲です。

  • Photo_28

 1942年2月に開発命令が出た後、11月には部隊配備と非常に急造であるにもかかわらず、実戦では相当な成果を上げました。
 しかし、図でご覧の通り薄い装甲板(10mm)で囲っただけの戦闘室は天井もなく、最低限の防御力しかありません。この辺が急造たる所で、非常に大柄なシルエットは遠くからも良く目立ったことでしょう。

 このような兵器ですから、敵の戦車と同じ条件で戦うわけにはゆきません。
あらかじめ決めておいた地点に陣取って、やってくる敵を遠くから狙い撃つのです。
 最初のうちはそれでも通用したのですが、敵がより装甲の厚い戦車を大量に
投入して押し寄せるようになると、撃破しきれずに押し切られる様になりました。
これに対する対策は、こちらも対戦車砲の数を増やすか、装甲を強化して近く
に敵が迫っても撃破されないようにすることです。
 しかし、ドイツでは常に兵器の数が不足していました。対戦車砲の数を増やす
にしても中々数がそろわないのが現実で、新兵器を作るのも、出来るだけ早急
に有効な兵器を開発製造する事が求められていたのです。

 Ⅲ/Ⅳ号駆逐戦車はこうしたニーズに応えたプランです。戦車の事をあまり
知らない方には、ピンと来ないような精妙な条件で成り立つ架空兵器なのです。

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