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サイコパスにストーカー規制法は適用されないのか

2017-06-09 23:18:20 | 日記・エッセイ・コラム
 先日、NHKでモーガン・フリーマンの科学番組を放送していました。内容は悪は根絶で
きるのかという主題で、脳科学に関して最新の情報が紹介されていました。
 例のサイコパスでありながら脳科学者であるジェームズ・ファーロン氏が出演して、自分
の症例に関して解説していました。中々興味深い内容で、サイコパスがただの殺人鬼だと言
う世間的に固定されたイメージは払しょくされたようです。

 サイコパスの主な特徴は何度も書いている通り、良心がないという部分ですが、他人との
感情的つながりがないと言う特徴もあります。しかし、この番組ではサイコパスが他人への
感情移入を自分でコントロールしているという説も紹介されています。これを聞いた時に、
私には何か閃く所がありました。
 サイコパスが他人への愛情を持たないのであれば、日本の現行の法律ではサイコパスによ
るストーカー行為は罰することができないのではないのか、と考えたのです。同時に、もし
サイコパス自身が他人への感情移入を意図的にコントロールしているのであれば、法律の外
へ出たり入ったりと言う事が任意でできる事になります。
 少し補足すると、日本の法律では恋愛感情がこじれた結果のストーカー行為でないとそれ
と認定できないので、恋愛感情を持たないサイコパスは元々その適応外となる訳です。

 これは、法律を整備した時点でサイコパスの存在を織り込んでいなかったための欠陥と言
えます。と言ってもサイコパスの研究は近年になって急速に発達したものであり、まだ司法
の場でどのような扱いにするのかさえ見通しが立っていないのが現状です。
 日本人の1000人中10人いると言われるサイコパスは、日本の人口を1億人と見た場合およ
そ100万人いることになり、法律の適応外となる訳です。これではザル法と言われても仕方
ありません。この改正は早急に行うべきだと思うのですが、それにはいくつかの問題があり
ます。

 まず、サイコパスに関する一般の認識がまだほとんどないことです。次に、サイコパスを
検出する方法が日本ではまだ問診に頼っている部分が大きい点です。そして、法律の領域で
サイコパスという存在がまだ認知されいないのが最も大きいと思います。
 これらの問題はあまりに大きすぎるので、早急な対処は不可能と言えます。となれば次善
の策として、ストーカー規制法からその動機に関する恋愛感情云々の項を欧米の例に倣って
削除するのが最も妥当な方法ではないかと思えます。
 しかし、これに関しても先ごろストーカー規制法の改正が行われたばかりなので、次の改
正までは年月を要するのではないかと考えられるのです。

 サイコパスは恋愛感情がないと言っても刺激を常に欲していますから、異性に言い寄ると
言う事は日常的にやっていると言います。むしろ常人より活発に明け透けにやる傾向があり
ます。すると当然、恋愛感情がないと言ってもストーカー行為やそこから発展した傷害行為
に及ぶ危険はあるわけで、常人よりエスカレートする危険も高いはずです。考えてみれば、
今まで恋愛感情のもつれの結果ストーカー行為に及んだと言う事例も、サイコパスの犯行が
どれくらい混入していたかは未解明です。むしろ多くの場合、自分の行動に自制の効かない
サイコパスの仕業ではないのかと考えた方が自然ではないかと思えます。
 ストーカー規制法はこういった行動こそ規制すべきなのに、サイコパスをその適応範囲か
ら除外すると言う矛盾をはらんでいます。これは前述の通り、認識不足から来ていると言え
ます。

 私はよく欧米のテレビドラマを見ますが、サイコパスという単語がよく出てきます。
普通に殺人犯以外の人間に対しても使われている所を見ると、日本よりその率が高い(3%)
為というのは本当の様です。日本でも欧米化が進み、外国人が多く見られるようになったの
ですから、それに見合った認識へ進むべきではないかと思うのです。

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