tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

付加価値と税金

2017年11月20日 23時07分39秒 | 経済
付加価値と税金
 人間は付加価値で生きているのです。付加価値がないと人間は生きることが出来ません。このブログの基本テーマが付加価値ですが、付加価値という言葉は、最も重要な概念である割に、世の中ではあまり理解されていません。

 例えば、世界各国では一般的な「付加価値税」(中国では「増値税」)ですが、日本では「消費税」と言っています。付加価値と増値は意味は同じで言葉としても似ていますが、消費税は中身は同じでも言葉は全く違います。
 これも日本では、付加価値という言葉が一般的でないからでしょう。

 もともと「付加価値」はvalue addedの翻訳ですから、新たに増えた(付け加えられた)価値(経済的価値)という事です。
 単純に言いますと、土地と水という自然から与えられたもの(資産)の上で、人間が作物を栽培します。収穫物は、日本ではコメに換算して、米○○石などと言いますが、それが付加価値です。その年に増えた経済的価値です。

 その増えた価値を、当時の経営者は領主と武士ですから、これを「公」と言い農民の「民」と分けます。そして五公五民、つまり公と民で半分分けなどという考え方が生まれたわけです。
 
 今、付加価値はいろいろな産業が作っていますから、「米」でなくて、「¥」で評価してGDP(≒分配面では国民所得)などと言われます。そして武士はサラリーマン、つまり「民」になり、「公」は政府という事になりましたから、「民」がいくら「公」に払うかは、国民負担率(税金と社会保険料の合計が国民所得に占める比率)という事になっています。

 国民負担率は日本は40%弱で、国民が国債などの形で年々政府に貸している分も含めると約50%、昔の五公五民と似たようなものです。
 北欧では公が70%などという国もあります。そういう国は福祉国家などと言われます。が、これは高率の理由が、社会保障のために使う「付加価値税」の税率が高いのが一般的です。

 世界で一般的なのは、社会保障、社会福祉の財源として「付加価値税」を使うというやり方で、日本でも、安倍内閣が、保育や教育費の無料化のために、消費税率を引き上げようと言っているのは皆様ご承知の通りです。

 特に付加価値税でなくても、所得税や法人税を引き上げて、それを使ってもいいわけですが、付加価値税を使うという事には、それなりの理由があります。

 もともとは所得税や法人税(直接税)も、付加価値税(間接税:日本では消費税)も、国民が創り出した不加価値の中から、政府(「公」)に払うことには変わりはないのです。
税金の払い方が違うのは大きな理由なのです。

 税金というのは、つまりは、政府がその年の国民所得の中からどれだけ政府に納めさせるかで、支払原資はすべて国民所得(付加価値の所得面)です。
 では、所得税や法人税と、消費税(付加価値税)では、何が違うのでしょうか。
 長くなるので次回にします。

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