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消費性向の回復:企業の労使で 出来ることは何か

2017年01月30日 15時50分50秒 | 経営
消費性向の回復:企業の労使で出来ることは何か
 前回、消費性向が低下する原因として、大きくみると、政府や日銀の政策の影響が大きいものと、企業労使で対応可能な問題の2つがあることが見えてきました。
 今回はまず後者、企業労使で対応可能な問題について考えてみたいと思います。
 
 その原因は、「企業環境が変化し経営が難しくなった」という事で、問題点は、国際化、為替の変動、規制緩和などが挙げられ、具体的には、企業の寿命が短くなった、解雇が容易になった、非正規が増えた、などがあげられました。

 今は「企業の寿命平均30年」で職業生活の期間より短いから、同じ企業で定年を迎える可能性は低いなどと言われます。確かに円高不況の失われた20年の中で、日本企業は多くの辛酸を舐めました。しかしその絶悪な環境はすでに変わりました。
 今も、大企業でも経営の失敗はありますが、これは労使関係を含め、企業内のコミュニケーションの不足、それによる経営判断の誤りが大きいようです。

・ 経営の安定を確保するには、労使を含め、社内でできるだけ多くの人々が正しい情報を共有することが重要で、雇用安定の意識がそのために極めて重要です。そして雇用安定の意識は、消費性向を高めるための最も重要と指摘されるものでもあります。

・ 労使で企業の現状に関する情報を共有し、雇用の安定に協力し、人員削減などは未然に防止の努力をし、非正規従業員は非正規を積極的に希望する人だけにしていくことが実現すれば消費性向に良い効果を持つことは明らかでしょう。
 コストはかかります。しかし、これはベア以前の問題のように思われます。

・ それを支えるのは、企業内の一体感、そのベースは、かつて日本企業が熱心だった階層別教育の徹底でしょう。新入社員教育から、職場のOJT教育、監督者教育、管理者教育、経営者教育まで一貫した教育です。

 これは企業と一体になって成長しようとする従業員意識を醸成します。長期不況の中で、コスト意識が先に立ち、こうした教育の手抜きの咎めが今出ていることを痛感する企業人も多いはずです。

・ 平均余命の延伸に雇用延長が追い付かないといった問題は、現状のような人手不足が続く中では、積極的対応の必要があるように思われます。今後は「うちは(給料は十分ではないかもしれないが)、出来るだけ長く働いてもらうよ」といった合意が大事でしょう。
 意欲のあるベテラン高齢者は企業にとっての宝でもあります。
 一方、従業員に対しては、企業の役に立ち続ける能力、意思、体力の維持の努力が要請されるでしょう。

・ 定年後再雇用の場合の賃金制度については、長澤運輸事件が最高裁にかかっているような状態ですが、多分定年再雇用の際の日本型賃金制度は認められるでしょう。
 高齢者の雇用については、賃金、企業年金、公的年金をいかに組み合わせて所得の安定の方向を考えるか、政府の施策も含め、残された課題でしょう。

 現実に企業レベルでこうした問題を論議すれば、恐らく具体的な点が出てくるのではないでしょうか。問題対応の現場が、こうした基本的な意識を共有して行動することが大事でしょう。少し長い目で見れば、日本経済、日本企業には、十分高齢化の中での雇用問題に対抗していく力があると思っています。

 幸い連合に代表される日本の労働組合は極めて良識的・合理的な考えを持っており、企業の安定発展のための協議の相手として適切な役割を果たせるでしょう。

 「なぜ」で出てきた多くの企業レベルにおける消費性向低下の原因は、企業労使の良識ある柔軟な話し合いの中でかなり解決できるのではないかと考えています。
 ところで、より大事なのは矢張り政府の対応でしょう。
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