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黒田総裁「出口戦略」に言及

2017年05月11日 11時33分31秒 | 経済
黒田総裁「出口戦略」に言及
 10日の衆院財務金融委員会で、日銀の黒田総裁は、民進党の前原氏の質問に答える形で「金融緩和からの出口戦略」について、初めて口にされたようです。

 黒田日銀は、これまで一貫して、インフレ率が2パーセントに達するまでは、異次元金融緩和を続けるとしていましたが、矢張りこれ以上の現状の継続は問題が多すぎることに内心は気が付いていたのではないでしょうか。

 2013年4月、日銀は黒田総裁就任直後、「黒田バズーカ」と言われた金融緩和を発表し、マネーマーケットにショックを与え、それまで$1=¥80水準だった円高を100円水準に戻し、日本経済の復活のきっかけを作りました。
 その後、2014年秋にも二発目のバズーカ」を発射、$1=¥120を実現し、日本経済の「失われた20数年」の脱出を果たしました。

 安倍総理(黒田総裁の命者)は、これをアベノミクスの成功と広く喧伝しました。
 二十余年にわたる日本経済の低迷は、基本的にはプラザ合意による円高、さらにリーマンショックによる$1=¥79までの円高によるもので、円高さえ直れば、日本経済は復活できるとほとんどの企業は考えていました。

 二発の「黒田バズーカ」は、まさに円安実現のための手法として大きな成果をお収めました。
 しかしこれは、アメリカのリーマンショック脱出策に倣ったもので、円安実現には成功し、企業は円安差益もあって収益性も財務体質も大幅に改善しましたが、日本とアメリカは国民性、国民の消費行動が違うので、その後、アメリカが超金融緩和からの出口政策を開始するころから、日米の差が顕著になり、副作用が目立ってきたようです。

 その象徴的なものが、「 2%インフレ目標」でした。消費中心のアメリカ経済では「消費者物価」は上がりやすいのですが、貯蓄志向の日本では、物価はなかなか上がりません。
 特に日本では将来不安から、消費の低迷が著しく、これでは物価が上がるわけがありません。

 黒田総裁は、円安維持が日本経済の生命線と、「2%インフレ達成までは金融緩和を続ける」と言い続けていきましたが、それを狙った、2016年2月の マイナス金利導入は効果を示さず、その後は、あてどのない金融緩和の継続状態になったようです。

 マイナス金利導入は、市中銀行の収益を日銀の収益に振り替える効果を持つわけで、金融機関の収益が悪化するなど副作用を持ち、深入りすればするほど、出口戦略のプロセスでの問題が大きくなることは否定できません。

 最近は、ETFやREITの日銀購入で、株価や地価の下支えがあるなどといわれる中ですが、相変わらず消費者物価の2%上昇には程遠い状況です。

 黒田総裁が、金融緩和の出口戦略について言及したことはこうした中での必然かもしれませんが、さて実行となると、いろいろな問題が出てくるでしょう。
 しかし難しいがやらなければならない問題です。日銀も少し、金融緩和が行き過ぎてしまったと臍を噛んでいるのかもしれません。
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