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消費税増税:財政の「プライマリーバランス」は矢張り重要

2013年08月13日 11時38分34秒 | 経済
消費税増税:財政の「プライマリーバランス」は矢張り重要
 日本経済が「ジャパンアズナンバーワン」と言われた1980年代前半にも、国債発行(特に赤字国債)を減らして財政の健全化を図ろうという意識は強く、そのための土光臨調(第二次臨時行政調査会)の活躍がありました。
 ただ、この取り組みは、当時の日本の公的部門の実態を反映して、無駄な財政支出を減らして、国債発行を少なくしようという意識がより強いものでした。その後、国鉄民営化などもあり、日本は変わりました。

 この時も目標とされたのは、財政の「プライマリーバランス」でした。プライマリーバランスをプラス(現在の日本はマイナス)にするというのは一口で言えば、「国債残高の増加率をGDP増加率の範囲内にして国債依存度を減らしていこう」ということで、いざという時財政政策を取りやすくする財政健全化の最低基準線という事でしょう。(http://blog.goo.ne.jp/tnlabo/e/71acbf81a9192b4e6b6023dc7b5d82c6)

 今の日本場合を考えれば、、これから経済が正常化していくことが目指されているわけですから、いつまでも超低金利というわけにはいかないでしょう。金利が上がった時、国債の金利支払いのためにまた国債増発といった可能性が出てきます。

 更に、今の国際金融システムの中では、これは保有国債価格の下落につながりますから、金融不安の引き金になる可能性も大きいのではないでしょうか。

 やはりいつの世でも、どこの世界でも、片方の借金が際限なく増えていくというのは、どう考えても健全ではないようです。
 (ですから、基軸通貨国アメリカが、40年以上も一貫して経常収支赤字国で、世界中から借金し続けているというのは問題ですね。)

 その意味では、今日の日本の場合、外国が「日本の財政は不健全だ」と言うか言わないかは別として、日本自体として財政のバランスの回復が必要な事は間違いありません。
 そして土光臨調の時と違うのは、超高齢化社会の接近を控え、財政の合理化だけではその実現は困難という条件の下で、国民からの借金である国債発行を国民からの税金に振替える消費税増税にどうしても頼らなければならないというのが現実でしょう。

 賢明で真面目な日本国民は、その点は理解していて、ある程度の消費税増税は認めようと考えているでしょう。ただ、その際に起きる副作用をいかに最小限にするか、乃至は消費税増税を、日本経済健全化のプラス要因にすることは出来ないかといった、より前向きな方向を考えているのではないでしょうか。

 ということで、日本経済が正常な成長を取り戻そうとしている現在、当面、来年度からの問題として消費税増税の問題が出て来ているわけですが、では、現実に増税した時、どんな障害が起こりうるのか、考えてみましょう。


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