tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

11月(南関東)の街角景気からの希望的な予感

2017年12月09日 20時55分39秒 | 経済
11月(南関東)の街角景気からの希望的な予感
 内閣府がやっている「街角景気」という調査があります。正式には「景気ウォッチャー調査」という名前で、日本列島を北海道から沖縄まで11の地域に分けて調査し、毎月発表しています。

 この調査は、その名の通り、街角の人たちに現在の景気の印象を聞いてその結果を集計し、「良い」と「悪い」の境目が50になるように設計された数字で発表するものです。

 調査対象は、街角の人たち、百貨店、スーパー、コンビニなどの小売店、いろいろなお客を乗せるタクシー運転手(私もあちこちでタクシーに乗ると運転手さんに「どうですか最近の景気は?」などとよく聞きます)、老若男女それぞれに関係あるレジャー施設などなど、主として現金払いで景気に敏感な仕事にかかわる人たちの意見という事になっています。

 此の街角の景気調査の南関東(1都3県)の数字が昨8日発表されまして、それによると、季節調整値で10月を2.1ポイント上回って、55.6になり、これは、2014年1月以来の3年10か月ぶりの水準だそうです。

 有効求人倍率が史上最高で、日経平均が「トランプ・エルサレム・ショック」で500円近く暴落しても、2日で取り返してさらに上伸するような状況の中で、55.6というのは何かパッとしない感じです。

 60か70ぐらいまで行ってもおかしくないじゃないの、と感じるところですが、考えてみれば、この調査対象は「街角消費支出」に関わる所ばかりで、今、日本経済の最大の問題は消費不振にあると言われる状態ですから、「やっぱり」という感じでしょうか。

 しかし、それはそれとして、上昇してきたという事は、まだまだ速断はできませんが、日本の消費者も、何か少し経済の先行きに明るさを感じ、財布のひもをちょっとばかり緩める気になった「のかもしれないな」などと考えてみたところです。

 このブログでは、家計調査の「平均消費性向」を中心に、消費不振の問題をずっと取り上げてきていますが、最近の統計で見ても、消費は「不振」という基本的傾向は変わらないとしても、何か微妙な動意が感じられるのではないかと見ているところです。

 11月の南関東の街角景気の改善が、単なる一時的なものか、それとも年末年始にかけて、消費者の気分が変わっていくのかどうか、これから注目が必要のような気がいます。

 もしその変化(改善)が傾向的なものであれば、家計調査の「平均消費性向」に現れることになるでしょうし、経済成長の足枷になっている消費不振からの脱出の可能性がほの見えるようであれば、大変結構だが、などと考えるところです。
 さてこれからどんな展開になっていくのでしょうか。