tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

硬軟両様に転換するか、アメリカ?

2017年08月03日 11時27分11秒 | 国際関係
硬軟両様に転換するか、アメリカ?
 先日、北朝鮮に対し「圧力一辺倒」のアメリカの政策は、(かつての日本と同じように)北朝鮮の 暴発を誘う可能性があると指摘しました。

 もともと一方的な被害者意識に固まった北朝鮮の現政権は、いわば窮鼠で、何をするかわかりません。
 北朝鮮の報道は、いざとなれば「アメリカを火の海にする」とアメリカに警告し、恐らく真面目な北朝鮮の人たちはそれを信じ、ICBMの成功を祝っているのでしょう。

 客観的に考えれば、そんなことは不可能でしょう。嘗ての日本の風船爆弾よりも効果はあるかもしれませんが、例えミサイルを何発か打ってみても、その成否は不明でしょう。
 太平洋戦争突入時の日本人が、日本の勝利を信じていたのと極めて似ています。

 そして、独裁者は、独裁体制が強まれば強まるほど、信じている国民の手前もあり、後に引けなくなるのです。
 人類は、そんなことで、歴史上の多くの戦争を引き起こして来ました。

 第二次大戦後、世界で最も豊かで、多様性と良識を持つアメリカが覇権国となったのは自然の成り行きだったのでしょう。
 しかしトランプ政権が登場、世界で最も強い国が被害者意識に固まり、「 アメリカ・ファースト」を掲げるようになって、貿易や移民問題でも見られますように、力による一方的な圧力方式を標榜するかとみられてきました。

 トランプ大統領は、北朝鮮に対して、戦争になれば、多くの人が死ぬ、しかしそれは北朝鮮で、アメリカではない、といった発言までしたようです。
 しかし、ここまで来て、トランプ政権内部でも、「アメリカは、圧力一辺倒ではない、本来は話し合い路線での問題解決を望んでいる」という発言が出てきました。

 これが本来のアメリカでしょう。ティラーソン国務長官が、北朝鮮が核保有国にならないことを前提に、アメリカは北朝鮮の敵ではない、北朝鮮の政権交代の政権崩壊も望んでいない、戦争は望んでいないが、仕掛けてくれば対応せざるを得ない、北朝鮮がアメリカは対話を望んでいることを理解してくれることを望むという趣旨の発言をしました。

 トランプ大統領とティラーソン国務長官の発言が、どう調整されるのか、あるいはすでに調整済みなのか、その辺りは解りませんが、これでアメリカの「硬軟両様」の構えがハッキリしたという事でしょう。
 アメリカは、本来こうでなければいけません。

 北朝鮮の独裁者は、ここで、どの道を進めば、自分の栄光が維持され、国民が栄誉を称え続けてくれるか、考え始めてもらいたいものです。
 リスクを冒して破滅するか、リスクを避け普通の国の元首として、国内の栄光を保つか・・・。

 ボールはアメリカら北朝鮮の手に渡ったようです。ここまで来てしまった独裁者にとって、どんな意思決定が可能なのか。疑心暗鬼の中で迷う事でしょう。
 日本に出来ることは何かないのでしょうか。