tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

麻生さん!大変ですよ

2017年05月12日 11時16分35秒 | 経済
麻生さん!大変ですよ
 国会中継では、いつの安倍総理の隣に座ってにこにこ(にやにや)している麻生さんですが、副総理、財務大臣ですから、この所のニュースを見ていると「麻生さん!大変ですよ」という事になりそうです。

 というのも、2016年の貿易収支が前年の1兆円強の赤字から6年ぶりに4兆700億円の黒字となり、経常収支の黒字もも20兆円を超え、史上最高水準に達するという状況が見えているからです。

 偶々今朝のニュースで、アメリカでは懸案だった通商代表にライトハイザー氏が議会で承認され、アメリカの貿易赤字減らしの活動がいよいよ本格化するという段階に至ったようです。

 「大変ですよ」と言うのは、日本の貿易黒字がこのところ増加の傾向にあり、しかも国別では、対アメリカが6兆8000億円でトップだということもありますし、ライトハイザー氏は対日本貿易で強い主張をしていたということもあります。 

 同時に日本の経常収支も2016年は20兆円を超える黒字で、対外投資収益の増加傾向から、いつもG7、G20などで問題になる「国際的不均衡」がなかなか改善されないことについても、積極的に取り組まなければならない問題ということもあるでしょう。

 貿易収支、経常収支の黒字は、基本的には円高につながるものですし、特に貿易黒字は今後の日米FTAといった問題の中で、トランプ大統領の最大の公約という意味でも、大変タフな問題になるような気がします。

 今現在は、アメリカの金利引き上げという「 出口戦略」のお蔭で、何となく円安に推移していますが、国際投機資本にしても、大幅黒字を黙って見逃すことはないでしょう。

 宮澤元大蔵大臣→元総理大臣が、「宮沢回顧録」で「あの時は毎日のように大幅円高で、大変困りました」と書いていますが、現実は「失われた20数年」に突っ込んで行ったような失敗の二の舞は許されないでしょう。

 日本人は真面目に頑張るので、国際競争力が強くなり、国際収支が黒字になるというのも一面の真理ですが、すでに何度も書いていますように、 生活態度も真面目で堅実、将来志向で先憂後楽という国民性の方がより大きな要因だと考えたほうが合理的でしょう。

 そういう勤勉な国民のリーダーなのですから、その辺りも十分に考慮され、安倍総理とも黒田総裁とも十分に相談されたうえ、国民が過度な苦労をしないような政策を編み出していただきたいと思います。