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市外営利企業を呼び込む異常な黒田市政━━6月議会の討論要旨

2017年07月01日 | 市議会
2017年6月定例議会の最終日、26日におこなった討論の要旨は次の通りである。

 私は日本共産党市議団を代表して6月議会に上程され議案のうち、3議案について討論を行います。
国保料の1世帯1万円の引下げは可能
まず、議案第41号 国民健康保険料の賦課総額の決定について、反対の立場から討論を行います。
この議案は、本年度の国民健康保険料を決める議案であり、所得額、世帯構成などが前年度と同じであれば、国保料は値上げも、値下げもしない、同額とする議案であります。
しかし、質疑でも明らかなように国民健康保険会計は、平成28年度まで9年間連続の黒字決算が続き、累計の黒字繰越金は約6億7千4百万円。これに基金積立金の約1千8百万円を加えれば、平成28年度末の見込みで6億9千2百万円もの多額の黒字繰越と積立金を有していることになります。国は、基金積立金については「安定的かつ十分な積立金の額は、過去3年間における保険給付費の平均額の5%以上を確保すべき」としています。本市の場合、国の示す基金積立金は約3億5千万円ですから、これを差し引いても、なお、3億2千万円も多く、余裕の繰越金をもっていることになります。過去の国保料の賦課総額決定による見込み違いによって、市民からもらい過ぎた国保料はもどすべきではないでしょうか。1人当たり年1万円の国保料引き下げに必要な額は、約1億5千万円です。これを還付しても、まだ、5億4千万円もの黒字繰越金、基金があることになります。
 国保加入者の一世帯当たりの平均所得額は平成25年度と比べ28年度では約9万円も減少しています。アベノミクスの失政、消費税の増税により地域経済が疲弊し、低迷するもとで、中小業者の営業と暮らしはますます厳しく、年金の削減、介護保険料の引き上げなどで市民の暮らしは一層困難になっています。そのため、国保加入世帯の1割を越える約1千世帯が国保料を滞納しているのです。それだけに、国民健康保険料の引き下げは、くらしを応援し、市民福祉の増進につながる優先課題です。毎年、国保会計は厳しく、単年度では赤字といっていましたが、平成28年度決算見込では、実質単年度収支で6千7百万円もの黒字です。仮に、この額を取り崩して国保料引き下げに回せば、国保加入の約9千6百世帯で平均すれば、年間で約7千円の国保料引き下げができます。瀬戸内芸術祭やシティーセールスには1億円を超える税金を投入する一方で、市の一般財政にはほとんど影響のない国保会計において、「払いたくても払えない」、「市民の負担限度を超えた高すぎる国保料を引き下げない」、市民に冷たい国保運営を改め、国保料の引下げを求め、本議案に反対します。

スポーツ振興に市外営利企業を呼び込む、異常な市政
次に、議案第43号 玉野市立体育館条例の一部を改正する条例について、を先に反対の立場から討論を行います。
この条例改正案は、市の体育施設等の運営管理を委託する指定管理者を公募することを前提に、体育施設等の利用に係わる料金を指定管理者の収入として収受できる利用料金制の規定を新たに設ける条例案であります。従前の施設の使用料を市の収入とする使用料制との、2通りを応募時に選択することになります。
反対理由の第1は、利用料金制の導入それ自体に反対というのではなく、条例改正の提案理由とした、「多様な事業者からの参入を促進させるため」に利用料金制の規定を追加するという、指定管理者選定の公募方式に反対するものであります。市教育委員会は、5年前は指定管理者選定にあたり、議会の意向も考慮し、非公募とし玉野市スポーツ振興財団を指定管理者候補者とした経緯があります。前回、非公募とした理由は、当時の玉野市スポーツ振興財団は、その設置目的について、「公益財団法人玉野市スポーツ振興財団」の定款には、「この法人は、広く市民のスポーツに対する理解と関心を深め、生涯にわたるスポーツ活動の実現と競技スポーツの振興を目的とした事業を推進するとともに、玉野市から委託を受けてスポーツ施設の管理運営を行い、もって市のスポーツの振興と市民福祉の向上に寄与することを目的とする。」と明記しています。市が設置し、財団の理事長には教育長がなり、議会総務文教委員長が理事の一人として参加している、収益を目的としない公益財団法人であります。そのため、市のスポーツ施設と一体となった柔軟かつ弾力的な管理運営が可能であり、民間事業者に比べ市議会の関与・チェックもより適切に行われることなどから、非公募にしたと記憶しています。
同時に、非公募であっても「玉野市公の施設に係わる指定管理者の指定手続き等に関する条例」の第4条などの規定に基づき、調査審議され、評価されて指定管理者候補に選定されています。前回の非公募にした理由に対して、それをくつがえすだけの公募するに必要な具体的な根拠が明らかにされていません。「指定管理者点検結果」では平成25年度から27年度にかけて、いずれも総合評価はA、良好であり、指定管理者として適切であると評価されています。単に、「民間事業者ならではのノウハウの活用」などという抽象的な理由だけでの公募方式への転換は、整合性も合理性もない、乱暴な行政運営と言わざるを得ません。
 第2の反対理由は、市長の「平成29年度 市政運営の基本方針」では「民間事業者によるスポーツ施設への参入実績の増加」「スポーツ施設に民間活力を導入することにより・・・様々な事業展開の可能性があることから、指定管理者を広く公募」すると述べています。いかにも、民間事業者の指定管理の方が優れていると言わんばかりの発言であり、現在のスポーツ振興財団の運営管理では不十分という認識の表明としてみられ、結果として市外の営利企業等への誘導策として受け取られかねないものではないでしょうか。こうした発言が指定管理者選定委員会や市職員・教育委員会に与える悪影響は重大であり、公平・適正でなければならない行政運営をゆがめるおそれがあると言わなければなりません。
第3の理由は、現に教育委員会で提出した「公募の概要」、「募集要項」などでは、利用料金制による指定管理料は平成26年度、27年度の体育施設の使用料実績から1500万円を差し引き、利用料金制の場合の指定管理料の上限額の積算を7,900万円として指定管理料を提案してきました。ところが、平成28年10月より体育施設の使用料金は財政健全化の取り組みによって、値上げされており、この増収見込み分がまったく積算に加えられていませんでした。この点を総務文教委員会で指摘され、翌日に提出してきた資料では、平成28年10月から平成29年3月までの6カ月間を前年度との使用料収入との比較で提示され、6か月間の増収分はわずか、3万7千円というもので、上限額7,900万円で良いとする提案でした。これもまた、旧料金による事前予約の影響があるため、料金引き上げによる増収分は正しく反映されないとして問題点を指摘され、さらに、日を改めて資料が提出され、事前予約の影響のない平成29年1月から5月までの実績を基に前年度と比較し、利用料収入を積算し、結局、100万円の増収と見込み、利用料金制の場合の指定管理料の上限額は当初の7900万円から100万円を差し引いた7800万円として、3度目もやりかえての提案となりました。この積算についても、使用料実績から、備考として「弓道連盟の前年度より増加分、セーリング協会12万円は前年9月納入、新規団体利用等の増加分」などとして29年4月、5月実績から56万円も収入を差し引き、平均影響率7%として約100万円の使用料値上げによる年間増収額を積算していますが、しかし、このような備考分の56万円を差し引かず、実績による収納増で試算した場合、15.9%の収納増となり、金額で約230万円の収入増が見込めるのではないでしょうか。また、昨年6月議会での私の質疑に対して、使用料の改定により年間で約160万円の増収を見込んでいたことを考えれば、年間で100万円の増収見込みも再検討される必要があることを指摘しておきます。長々と申し上げましたが、要は当局の指定管理料の積算数値が利用料金制とした場合の、収入分を低めに積算し、指定管理者に有利に、玉野市には不利になる積算提案となっていることが、あまりにも見え見えであり、市外の営利企業等に有利にしているように見えてなりません。「玉野市公の施設に係わる指定管理者の指定手続き等に関する条例」では、第4条に「その管理に係わる経費の縮減が図られるものであること」と明記され、玉野市が策定した「指定管理者制度運用方針」でも、「経費の削減や新たな収益等により、サービスを低下させることなく、市の負担額を削減することが期待できる施設」とされています。当局の対応は、この観点から見ても民間への誘導策による異常で不適切な提案、取り組みと言わざるを得ません。
 反対理由の第4に、県内他市の事例が資料として示されていますが、岡山市、津山市、総社、赤磐市の事例では、いずれも直営から民間企業に指定管理したものです。玉野市のようにスポーツ振興財団が存在し、市のほとんどのスポーツ施設を指定管理者としているにもかかわらず、その体育施設をまるごと市外の営利企業を含めて公募にかけるなどの例は全く示されていません。
また、総務文教委員会に提出された資料には「公の施設の指定管理者制度の導入状況等に関する調査結果よりの抜粋」という資料があります。総務省がまとめたものですが、全体の調査結果では、全国の市町村において指定管理者制度での公募は約4割程度、6割は非公募です。また、3年間で約2300施設が指定管理者の指定の取り消し等になっている状況でもあります。岡山県下では事例がほとんどない、玉野市の公募の在り方は異常ではないでしょうか。

第5に、6月8日付の総務文教委員会協議会資料では、体育施設指定管理者募集要項の骨子案には、地域での利用が検討されているなどの理由で荘内地区にある北体育館だけが外されていましたが、その後の6月議会総務文教委員会協議会資料ではヨット艇庫も対象施設から外しています。これらを除外した理由が十分説明されていません。募集要項の発表前に現状を明らかにし、透明化し、納得のいく説明を求めるものです。
反対理由の第6に、公募により、もし、現在のスポーツ振興財団が競争に負けて指定管理者に選定されなかった場合は、市外の営利企業等など新たな民間事業者が体育協会スポーツ少年団、スポーツ推進委員など事務局業務まで運営管理されることになります。これらスポーツ関係団体の住民らにきちんと説明しておく必要がありますが、説明責任を果たしていないなかでの公募への移行は問題があり反対です。

第7の反対理由は、仮に市外営利企業が指定管理者に選定された場合、公益財団法人 玉野市スポーツ振興財団はどうなるのか。平成3年に市がスポーツ振興を目的に設立した団体であり、25年以上の実績とノウハウをもつ財団です。市の都合により、その仕事を市外の営利企業が委託されれば用済みとされるのか。財団で長年働いてきた3名のプロパー職員についてはどうなるのか。市と教育委員会は競争に勝つよう、「指定管理が受けられるよう頑張ってほしい」と言われるだけで、きちんとした責任ある説明がなされていません。こんな無責任な冷たい市政は認められません。

反対理由の最後に、現在のスポーツ振興財団なら、物品等の購入を含め、多くの点で地域内経済循環となりますが、市外の営利企業なら、物品等の調達はほとんどが市外となるだけでなく、指定管理事業による利益の多くは市外に持ち出されるのではないでしょうか。この点からも玉野市の地域経済にとってマイナスになることは明白であり、地域内経済循環、地域活性化に反する公募方式には反対するものです。
 また、平成26年3月策定の「玉野市スポーツ推進計画」では、平成35年度までの10年間の計画で、玉野市スポーツ推進審議会の委員11名により策定された計画です。スポーツ振興財団との連携強化が強調されています。この計画は極めて具体的な目標等が明記されており、この計画目標実現に着実に努力すれば、市民のニーズに応えるスポーツ振興になります。いま、市外の営利企業を公募して呼び込む必要はありません。

 結局、市外営利企業による指定管理よって、企業にとってビジネスチャンスが広がります。新たなサービス展開がいくらか期待できるとしても、企業はより儲け、利潤を確保しようとするため、人件費の給与・賃金は多くの場合低く抑えられ、非正規、臨時雇用など不安定な雇用とならざるを得ません。総社市では民間企業による指定管理のもとで、市民の一部から苦情等があがっていることも仄聞しています。
 市民とスポーツ関係団体、そして、スポーツ振興財団による協働の取り組みを強めること、さらに民間のノウハウも取り入れることなどで、より良いサービスが提供でき、スポーツ活動の質量をいっそう向上させていく方が、より効果的であると思います。
多くの市町村では、こうした公益財団法人が指定管理するところでは、市体育施設を丸ごと民間事業者に指定管理させているところは、ほとんどなく、自治体が責任をもって財団を維持させ、非公募によって指定管理者としているところが多数です。以上の理由から本議案に反対するものです。

市立高校魅力化に向けた住民参加の協議会設置で、将来を期待し賛成に
次に議案第42号 玉野市立学校に関する条例の一部を改正する条例についてであります。玉野市立玉野商業高等学校の校名を、工業系学科の創設に伴い平成30年度から玉野市立玉野商工高等学校に変更する議案です。付託された総務文教委員会の審査において、私は幾つかの理由をあげてこの議案に反対を表明しました。
 昨年、平成28年4月に「玉野市立高校在り方検討プロジェクト会議」を設置し、玉野商業高校の工業系学科新設などを検討され、11月に市内全中学生と保護者への進路希望調査を実施するなどの取り組みを実施して、工業系学科創設を方針化されました。しかし、「玉野市協働のまちづくり基本条例」第5条には、基本原則として「市民は、市政への参加の機会が保障される」、また、第13条では、「 市民は,市の仕事の計画,実施,評価の各段階に参加する権利を有する。」と明記されています。60年の伝統と1万人を超える卒業生を有する玉野商業高校の校名変更や工業系学科創設に係わる問題は多くの市民の関心事であり、市民参加が保障されなければなりません。なぜ、総勢16人の市立高校在り方検討プロジェクト会議に過半数を超える9人の企業代表だけが参画し、商業高校の同窓会やPTA、公募市民委員を参画させなかったのか。この会議がもっぱら企業側の意見を聞くことを目的とした会議というなら、なぜ、同時並行で市民参加の「検討協議会」を設置し、校名問題も含め情報提供し、広くオープンな形で民主的に進めなかったのか。市政と教育委員会の行政運営に大きな問題があると言わなければなりません。
 また、私は昨年12月議会と今年3月議会で、「拙速すぎるのではないか」「玉野商業も備南高校を含めた今後10年先の在り方も含めた住民参加でどうあるべきか」を検討するよう求めました。3月議会では私の質問に対して、黒田市長は、「全国的には商業高校を名乗りながら工業系の学科を持った学校もあるというのは確認しておりますから、ここからまさにそういういろいろな関係者を交えて、そこの議論であるとか今後の将来の在り方等々についてはもちろん、いろいろな方に集まっていただいて議論をしていくべきだというふうに思っとります。」と答弁されました。ところが、4月には何の動きも見えず、5月下旬になって急遽、校名変更に係わるコメント募集を実施し、6月7日までを募集期間とするが、6月1日には玉野商工高校への校名変更議案が発表されているという、おそまつな状況を露呈しました。こうした市民参加、参画を軽視した運営は、明らかに市民軽視の行政運営であり、決して許されるものではなく、この意味から黒田市政と教育委員会の校名変更の手続きにつよく反対するものです。 

 しかしながら、市立高校の将来の在り方、魅力化をきちんと住民参加、同窓会やPTAなどの参加で、検討協議する会を設置する方向で前向きに進めるということであるならば、未来志向で、ぜひ、1年、2年かけて市立高校の魅力化を図っていただきたいと願っています。
 島根県隠岐諸島にある県立高校の島前高校では、2008年には生徒数が30人を切り、存続が危ぶまれる中、島前地区の海士町など3町村が一丸となって学校改革「高校魅力化プロジェクト」を進め、2008年に策定した「高校魅力化構想」にそって、地域ぐるみで島留学等の魅力化をはかり、2014年度には生徒数が156人と過疎地の高校として異例の学級増となったと聞いています。こうした先進例に学び、市民の知恵と力を引き出す、住民参加の協議会をつくり、本気で取り組むならば 少子化のもとでも市立高校の魅力化は十分に果たせるものと考えます。将来への取り組みを重視する立場から、また、市民参加の検討協議会の設置を期待し、本会議では本議案に賛成することを表明し、討論を終わります。

 「海士町の地方創生─創生は産業の立て直しと人づくり」(「住民と自治」2015年9月号─
海士町長 山内道雄氏の特集記事から)

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