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オペラ「石見銀山」 500年悠久の時をこえて

2017-07-16 15:47:38 | Weblog
今年は石見銀山遺跡が世界遺産登録されてから10周年を迎え、記念事業のひとつ創作オペラ「石見銀山」が
7月2日に市民会館で昼夜2回上演されました。
オペラは迫力ある島根の伝統文化「石見神楽」と共演され世界で初めての舞台です。
出演者は大田市出身のプロのオペラ歌手柿迫秀さんら5人で作るオペラユニット「LEGENO」(レジェンド)
親族が同市出身でプロのオペラ歌手の坂井田真実子さんと松浦麗さんの豪華キャスト。
そして、大屋神楽社中と一般公募で集まった合唱団、山陰フィルハーモニー管弦楽団も加わり素晴らしい舞台でした。
フィナーレでは、観客はブラボー!の連呼、立ち上がって拍手は鳴り止みませんでした。
そして、皆さんが全員感動しておられるのがすごく伝わってきました。   
大田市民は石見銀山の歴史的価値を大切にして、郷土を愛し、パワーが舞台を成功させたと思いました。
(観客は約2000人)東京公演も決定。9月25日新国立劇場で行われますが大田市の販売チケットは完売のようです。

オペラ「石見銀山」について
スタッフ
 演出/脚本 吉田智明  指揮/作曲/音楽監督 中村匡宏
 ナレーション 宮根誠司(友情出演) 美術監督 三原康博 
キャスト
 神屋寿禎 柿迫 秀(テノール) 神主・大山津見神 菅原浩史(バス・バリトン)
 於紅孫右衛門 吉田知明(テノール) お高(ソプラノ)坂井田真実子
 吉田与三右衛門 志村糧一(テノール) 吉田藤左衛門 内田智一(バリトン)
 龍蛇 松浦 麗(メゾソプラノ) ゲストピアニスト 西尾周祐
大屋神楽社中代表 松原 勝  出演者11人 
 笛、龍蛇手下、小太鼓、吉田与三右衛門、鬼、龍蛇手下、大山津見神、大太鼓、
 お高、吉田藤左衛門、白狐、龍蛇、手拍子、龍蛇手下、三浦介、龍蛇手下、上総介
オペラ石見銀山合唱団 (50人)
 男性 (航海士、坑夫) 女性(間歩で働く女性達) 児童(子供達)
 
  あらすじ
博多の商人・神谷寿禎が戦国時代、海から光る銀山を発見した場面から展開。
寿禎が仙ノ山に入山し、発掘が始まった近くの石銀(いしがね)集落では狭い間歩(坑道)で坑夫、女性も働いていました。
お高は夫与三右衛門の妻ですが、夫に暴力を振るわれていて、間歩頭の孫右衛門は良き相談相手として慕っていました。
そのうち恋心を抱てしまいました。
そのことを知った夫の弟藤左衛門は孫右衛門を大森のお祭りの日「彼の谷」に呼び出し、刀でお高の目の前で孫右衛門は切り殺されます。
お高は兄弟の痛恨を抱きつつ自ら命を絶ちます。兄弟が去った後には鬼が現れ、お高の魂を惑わせて暗闇の中に消えていきます。
二人の姿が消したその日を境に、仙ノ山と大森の町には次々と厄災が降りかかり多くの命が失われて、石見銀山は採掘量を落していきました。
神谷寿禎は殺された於紅孫右衛門と自害したお高の怨霊を鎮めるため神主に祈祷を頼み抗夫や民衆の前で祝詞を上げると
鬼に魂を操られたお高は社の奥から大山津見神が現れ対峙すると恋人の魂を呼び出し、二人の手が結び会うと厄災の嵐は過ぎ去りました。
以来千ノ山は大きな災害に見舞われることなく大森の町は活気を取り戻したのでした。

  舞台の感想
演出、脚本は石見神楽の「於紅谷」を下地に作曲家と作品を作り上げたそうですが石見神楽と融合して
オペラ作品にすることを考えられた発想が素晴らしくどんな作品になるか楽しみに待っていました。
舞台は序曲の前に音楽が付いて語り手と電子音楽、そして打楽器の音が不気味になり、
序曲では神主による祝詞と神楽の舞が、オーケストラを伴奏に表演されます。

第一幕は男性合唱による影歌によって「夜の海、船上の昂揚」が始まります。

第二幕で使用された坑内をイメージした天井は低くしてあり、ステージセットでは珍しいそうです。
坑内で使われていた金鑿(のみ)の音をモチーフとして、電子的に処理された楽曲から始まりました。
次にお高が先導して歌われる「石見銀山捲上げ節」は合唱とオーケストラによって「労働歌」から「芸術音楽」に変容され
歌い継がれた旋律はそのままですので何回か聴いた曲でした。
与三右衛門と藤左衛門による二重唱、合唱の演技は皆が一人ひとり動きが違っていました。
 
第二幕は後半、「銀掘りの歌」を背景に歌われる与三右衛門とお高、夫婦による二重唱、そして孫右衛門と藤左衛門の二重唱。
そしてここでは与三右衛門は藤左衛門とそれからお高は孫右衛門との会話を歌っています。
与三右衛門とお高は上手行かない夫婦仲が、孫右衛門の存在で複雑化していきます。

第三幕は祭のシーンから始まります。佐毘売山神社で歌われていたと言われる「サンヤ節」が歌われるシーンもあり、
神楽の共演もあります。演目は「黒塚」私の好きな演目でした。神殿の後ろにある間切りの奥の世界もみどころです。

第三幕の後半はメインキャストのソロが続きます。藤左衛門のふざけた表情から怒りの表情への変化、
そして祭のシーンで神屋寿禎らが皆に囃し立てられながら歌った「サンヤ節」が再度藤左衛門によって歌われます。
その後に続く与三右衛門のお高を思い愛と憎しみの間で歌われたアリアは心に響き、終盤の四重唱はセリフと歌が重り
合い衝撃のシーンまで続きます。

第四幕は、第三幕の衝撃のシーンからその情景が神楽によってよって表現されます。
そして継ぎ目なく龍蛇のアリアへと移り変わるシーンはオペラと神楽の融合の見所の一つです。
緊迫した場面は体を前に乗り出してしまうほど素晴らしいと思いました。
子供たちの合唱による「らかんさん」は昔なつかしいわらべ歌で口ずさみたくなりました。
神楽も次々と登場し、神主に慿依した大山津見神が龍蛇と対決するシーンは石見神楽では最後に観る一番人気の演目。
オペラの終盤はメインキャスト7人による七重唱。終曲は「千ノ山」の大合唱でした。

舞台装置はモノトーンの濃淡で表現する中効果的に色味を入れてアクセントつけた演出となっていました。
祭のシーンでは大きな幣帛幕がその存在で人々の躍動感が分かります。
グランドフィナーレでは祝い幕が最上の喜びを表す為に色彩豊かな世界を表現されたそうです。
そして舞台上に置かれた大道具が一つだけでした。その台形状の箱は見る角度によって
山になり、舟になり、ある時は神楽殿になる変化に興味が湧くでしょう!舞台美術にも大喝采です。


銀山テレビでは年末頃テレビ放送される予定ですので、オペラ曲をよく聞いて作品を楽しみたいです。

            
パンフレットを買いましたら袋に入れて下さいました。らとちゃんが可愛いので写真を撮りました。



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