みやしたの気まぐれblog

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大井川鐵道旅行 その2「井川線で日本全国鉄道全線乗車完了」

2011-08-28 00:18:07 | 乗り鉄
8/20-21の大井川鐵道旅行の続きです。
千頭駅に到着した後、しばらくの待ち合わせで井川線へ乗り換えます。
大井川鐵道井川線は元々大井川上流のダム建設のために中部電力(初期は大井川電力)が建設した路線で、ダム建設終了後に大井川鐵道が引き継いで、観光路線として運行を始めたものです。軌間は1067mmの狭軌ですが(最初期は762mm)森林鉄道並みの車体サイズ(幅1850mm以下。軽便鉄道幅の近鉄260系や、三岐鉄道270系より25cm程狭い)です。平成2年に長島ダム建設に伴って川根市代~接岨峡温泉が新線付け替えとなってから、アプトいちしろ~長島ダムに90‰の勾配が作られたため、碓氷峠以来のアプト式が復活しました。このため、南アルプスあぷとラインの愛称があります。

今回は乗車時に、車掌さんが8/12の復旧時にデビューしたばかりの車両と教えてくれたスロフ317に乗車し、終点の井川駅を目指します。

千頭駅駅舎

これは本線ホームから見た井川線復旧記念の看板

発車までの待ち時間は保存車両を撮影。これはE10形のE10 3

展望車の井川線車両。見たところ、使っていないっぽい

廃車されたモハ1100形。元岳南鉄道のスキンステンレス車

奥にある電車は保存されているようだが形式がよくわからない

こちらは予備車になっているらしい元近鉄421系

井川線はアプト区間を除いて非電化。千頭側にディーゼル機関車を連結し、井川側は客車兼用の制御車となる

乗車したスロフ317の側面。新造だけにこの車両だけ、塗装がきれいだったり

スロフ317の台車

スロフ317の車内

これはスロフ309だが、だいぶ外装が痛んでいる

こちらがディーゼル機関車のDD20形

列車はゆっくりとした速度で、大井川を遡り、山の中を抜け、いくつものトンネルを抜け、橋梁を渡りながら走ります。
軌間こそ1067mmの普通鉄道ですけど、車体が小さく、カーブが多い井川線は速度が出ません。しかしその分、景色をゆっくりと楽しめます。

これは中部電力用と思われる無蓋貨車Cトキ227

井川線車両の車庫

大井川を横に見ながら最初は走る

橋梁とカーブが多い

大井川と寸又川、横川という3つの川が合流すると言う場所で停車

正面奥の細い川が横川らしい

途中駅での列車交換

天気が小雨も降る曇りだった。景色がきれいなだけに惜しい

途中駅、アプトいちしろへ到着すると、ディーゼル機関車の後に(井川方面の列車はディーゼル機関車が最後尾)電気機関車を連結します。ここから先の長島駅までの1区間は、日本の普通鉄道としては最急勾配となる90‰の勾配が有り、アプト式機関車を連結するのです。
アプト式とは、2本のレールの間に、ラックレールという歯車(ピニオンギア)を組み込むためのレールが有り、これを使って急勾配を昇るという仕組みです。昭和38(1963)年までは信越本線の碓氷峠(横川~軽井沢)にもありましたが、こちらはEF63形による通常の粘着走行に変わったため、平成2(1990)年に井川線で採用されるまで、長い間日本の鉄道ではアプト式が途絶えていました。余談ですが、一部鉄道ファンの間では、日本鉄道三大奥義として、ループ線、スイッチバック、アプト式の3つが数えられています。

アプト式のED90形。日立製作所製

DD20形の後方に連結。ED90形はDD20形や客車に比べてやたらと背が高い

アプトいちしろ駅の駅名標。この時点で標高は396mで、299.8mの千頭から96.2m昇ってきたことになる

これがアプト式鉄道を作る理由となった長島ダム。重力式コンクリートダムで、大井川水系唯一の多目的ダム

カーブで機関車の姿が見える。ED90形とDD20形のサイズ差がすごい

長島ダム駅の駅名標。海抜485mで、一気に89mも昇ったことになる

アプト式の区間は1区間だけで、この後はED90形は切り離され、元のDD20形による運行に戻ります。ひらんだ駅を過ぎ、奥大井湖上駅を抜け、尾盛~閑蔵では、日本の鉄道橋梁では現在最も高い関の沢橋梁(川底から100m?パンフレットでは71m)を走ります。この橋梁の上でも列車は観光向けに一時停止しました。そして列車は終点の井川へ到着。ちょうど列車が発車した時に、これで全線乗車の最後と友人らと話していたのを車掌さんが聞いていまして、下車した時には「全線乗車おめでとうございます」と言ってくださり、とても嬉しかったです。


奥大井湖上駅は長島ダムによって作られた接岨湖の湖上にある駅で、駅両端の橋梁はレインボーブリッジと言う。東京のレインボーブリッジより2年早くできている

この日の接岨湖は水量が満杯ではなかったので、旧線の橋脚なども見られた

関の沢橋梁で。川底が遠い

もうかなり山奥なので、だいぶ雲がかかっている

井川ダム。これは発電用のダム

井川駅に到着。先頭の制御車クハ600形

これが乗車してきたスロフ317の姿。井川線の車両はすべて手動扉

井川駅で撮影したDD20形

平成23(2011)年8月20日14:00、大井川鐵道井川線井川駅にて、現存する日本全国の旅客鉄道全線乗車を達成しました。
貨物線で乗っていないところはけっこうありますし(乗りようが無い路線もありますけど、最近はけっこう臨時列車や団体列車で乗れる場所も増えた)、国土交通省立山砂防工事専用軌道みたいに体験乗車のみの路線や、公園扱いの路線までは含めていません。ですが、通常旅客営業している路線は、JR、私鉄、公営鉄道、第三セクターの全てを乗車し終えました。

次回は井川線を戻り、宿泊地へ向かいます。
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