巨匠 ~小杉匠の作家生活~

青二才の頃の夢だった小説家。今頃になって何かに憑りつかれたかのように行動に移し始めました。そんな作家的日常を公開します!

世界中の夢を集めて

2017-03-07 21:57:30 | 
ひとり、またひとり
僕の前に現れては消えてゆく
陽炎のように揺らいでは
太陽の放射を浴びながら
出しっ放しのアイスクリームのように
自立できず惨めに溶けゆく

僕は都会の番人
夢追い人
夢描く人
夢抱く人
夢敗れた人
夢失った人
僕の周りは何故かそんな人ばかり
僕の脇を素通りしながら
お前はいいよな、という表情

夢持たぬ人
人は僕をそう呼ぶ
感動とも絶望とも無縁
ポーカーフェイスを決め込んで
今日という日を淡々と消化するだけ

僕の生き様は
これでいいんだ、きっと
今まで数多くの夢を叶えてきた
僕の夢、君の夢、誰かの夢
世界中が願望だらけで
己の欲なんて後回しさ

夢を叶えた少女が未来の自分を語る
幸せはあんな風に脇道を通り抜ける

僕の夢を語ろうか
僕の言葉に驚く君の手を取り肩に腕を回す
僕の唯一の理解者である君に
幸せを掴んでもらいたい

僕は似合わないスーツを着込んで
君との約束の場所へ行く
僕達を随分待たせた君は
誰よりも美しい花嫁姿を披露

君のプロポーズを断ったのは
幸せと無縁でいたかったから
夢見ることを諦めない誰かを
支える自分のままでいたかった

君が手の届かない存在になる
僕はその瞬間瞬間を切り取りながら
君のいない毎日を思い描く
心の中に広げた白いキャンパスに
ありったけの思いをぶつけて
溢れ出す感情を剥き出しにして

君は遂に夢叶えたかな
君は今も夢見ているかな
君は夢を見失わないかな
夢追い人に僕は寄り添う

我に返り、振り返った僕は
形の崩れたアイスクリームを
手を汚して冷凍庫に片付ける
見たこともない夢とともに
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