巨匠 ~小杉匠の作家生活~

青二才の頃の夢だった小説家。今頃になって何かに憑りつかれたかのように行動に移し始めました。そんな作家的日常を公開します!

すべては時のいたずら

2017-04-18 00:00:05 | 
僕は僕以外の誰を生きることもできないし、誰も僕を生きることはできないから、僕は僕のままでいよう、君が君の人生を生きるように。

あの雲がハートの形をつくったら、僕と君は仲直りできると思うんだ

この春の嵐がまだ留まっていた桜の花弁を次々と蹴落としていくね。僕はアメニモマケズしがみつくひとひらの花弁を愛おしく思う。あの花弁を透明のカバーで覆ってあげたい。

僕は去り行く春に背を向けて誰もが心を開く夏の日に想いを馳せる。あの夏の日、君はわざわざ僕に会いに来た。僕は突然のことに驚きながらも素直に僕の気持ちを伝えた、その瞬間、

僕は人の心を弄ぶ悪魔になった

人を敬い、自然を愛した僕はどこへ行ってしまったのだろう。僕は誰よりもピュアな君の気持ちを踏みにじった時に、自分の中の「悪」を見た。今までに感じたこともない悪感情。僕は自分の鍍金が剥がれることを怖れた。本当の顔が初めて顔を覗かした。

僕は僕以外の誰を生きることもできないから、今の僕を受け入れるしかない。こんな僕の引き取り手など誰もいない。僕は僕のままでいよう、これが本当の僕なのだから。

あの雲がハートの形をつくったら、僕と君は仲直りできると思うんだ

そう感じたあの日から、既に10年の歳月が流れた。君は細やかな幸せに包まれ、この大空の下で胸いっぱいに空気を吸い込んでいるだろうか。僕は気付けば30歳を過ぎ、誰とも心を通わせない臆病者に成り下がった。

あの日あの時、僕が君を受け入れていたら、時代は動いたのかな。僕の10年間は停止したまま、君の勇気ある告白を袖にした事実だけが毎日毎秒僕を苦しめる。

僕だけの君でいてほしい

そう言えなかった僕はただの臆病者。
憎まれっ子、世に憚る
臆病者、世に弄ばれる
僕はこの世界に居場所を求め、君の残像を脳裏に浮かべては心を痛める。あの時、僕にはあの解しかなかったのか。

あの雲はちぎれたまま、風に乗り西の空に追いやられていく。僕は東の雲を懸命に呼び寄せ、臆病者の殻を破ろうと試みる。

すべては時のいたずら
僕が得たのは悪の称号
僕が失ったのは君と時間
一秒が惜しい僕は「時よ止まれ!」とひたすら祈る
過去は振り返るためにある。しかし、失った時間は取り戻せない、返ってこない
臆病者の僕の祈りが通じることはない
あの雲が僕の祈りを袖にしたように
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