巨匠 ~小杉匠の作家生活~

売れない小説家上がりの詩人気取り
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世捨人の徒然なる思い

2017-01-03 21:08:55 | 
あの交差点を曲がったら
どんな景色が現れるんだろう
かつて僕達の生活はそんな風に
素朴な幸せに包まれていた

僕達は街の変化に呼応し
少しずつ変わっていく
それが進化なのか退化なのか
今は誰も知る由がない

僕達が今まで生きてきたのは
何もかもがこんなに複雑ではなかった時代
眼に映る眩い光に純粋に憧れ
ただ追いかけていればそれでよかった

僕は軽い人酔いを起こしたのか
足を止め、街行く人々を眺めている
今は誰もが皆、自分を守ることに必死で
愛も恋も夢も希望もすべて絵空事だから
人は皆、生きることを馬鹿馬鹿しく思う

見て見ぬ振りを決め込む冷めた大人達
夢や誇りを持てず項垂れる子供達

残された選択肢は現実逃避か
それとも自己崩壊、相互確証破壊
もしそれさえも赦されぬこの世なら
君がいつ退場しても赦されるだろう

嗚呼、すべての妄想を封じ込めよ
幻想に満ち溢れた虚構世界の中で
僕達はすべての人間存在を過信し
この世の万事万物に絶望する

黙殺せよ、世捨人が発するこの戯言を

僕は腐り切った自らを顧み
途方もなく季節感のない主義主張で
塗り固められた我が身を包む鎧を重く感じる
無色透明の光を散りばめた君は至って正常だ

何の脈絡もなく心の向くまま君に会いに行こう
乱れ切った心の平穏を取り戻すために
僕が人間らしく普通に生きるための特効薬
暖かな陽射しが僕を外へ、外へと誘っている

僕の魂は君をいつも遠ざけてしまうけれど
どんなに愛想を尽かされても吸い寄せられる
僕の存在意義は君の存在により保たれ
脳髄まで毒の回った僕は束の間救済される

君はとんでもなくひん曲がってしまった僕に
ゆっくりと重しを載せ、緩やかなカーブに戻す
僕の隙間だらけの心に優美なアーチを描くのだ
僕の発する言葉が社会の害悪にならないように

この世界にはいま平和の鐘の音が鳴り響く
誰もが忘れかけている平和の意味を問うように
心なしか寂しげな表情をした地平線が
仄暗い大空に無機質な残響を拡散させる
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