巨匠 ~小杉匠の作家生活~

売れない小説家上がりの詩人気取り
さて、次は何を綴ろうか
【連絡先】
cosgyshow@gmail.com

命の連鎖

2017-03-16 22:59:47 | 
身体中が悲鳴を上げている
季節の移り変わりに気付く間も無く
僕は海岸線に打ち上げられる

前置詞に気を付けろ!

僕は意味不明な言葉を吐きながら
すべての痛みを亡き者に変える

君達が発する言葉には
凄い力が備わっているんだ
かつて師はそう唱えた
自ら死を選んだ師、詩

僕は言葉をエネルギーに変えながら
今日を、明日を生きる活力を得る

痛み止めを打ちながら走る男
この世に抗う僕を師はこう評した
生きるとは痛み、苦しむことじゃないのか
僕は弱々しい師に灰皿を投げ付け
あの場所へ向かって走り出した

出血、吐血、下血が止まらない
おそらく僕は通り行く人々の視線を浴びながら
100m先の交差点で紅くのたれ死ぬだろう
昨日は君、今日は僕、明日は誰?
命の連鎖は果てしなく続く

外はまだ肌寒いけど
季節は確実に変わり始めている
僕達の生活に人生を楽しむ余裕などない
季節が変われば、僕達はさながら
着せかえ人形のように衣服を変える
ただそれだけのことだ

前置詞に気を付けろ!

僕は弱々しい声で、やがて逝く師に
最後の忠告を与える
彼は僕の師、僕は彼の師でもあるから

コメントを投稿