巨匠 ~小杉匠の作家生活~

売れない小説家上がりの詩人気取り
さて、次は何を綴ろうか
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ちっぽけな存在

2017-03-10 00:50:46 | 
会社からの帰り道
見知らぬ誰かに肩を叩かれて振り返ると
数え切れない星々が夜空に煌めいている

僕のふるさと

冬の夜空が最高に綺麗だった
いつか帰ると心に決めてもう20年
僕は何をしているんだろう
何処を放浪しているんだろう

路上でふと足が止まる
そんな瞬間もたまにある
僕の肩を叩いたのは誰だろう

ふるさとから遠く離れたここ東京には
たくさんの人がいるよ
たくさんのモノがあるよ
この世界の無駄という無駄を集めて
膨れ上がる、膨張する、肥大化する

そう、僕も無駄、不要物だ
そして、君も、君も、君も、みんな

誰もが自分の存在価値を見出せず
すべての努力は結局徒労に終わる
この場所に夢のカケラがあるなどと
能天気な考えはやめたほうが身の為だ

嗚呼、ちっぽけな僕だけど
少しだけ勇気を分けてくれ
あのふるさとで暮らす決断を
僕はいつか下さなければならないのだ

この躊躇の理由が何なのか僕は知りたい
何故僕はここにいて、何をしているのか
何故僕はここから旅立てないのか

ふるさとの長老が僕の肩を優しく叩く
先頃亡くなった白髪の老人
そんなこともあっていいと思うのだ