A:「あの人のことを、お前は教祖と呼ぶが、オレにはそのようには見えないな」<o:p></o:p>
B:「それは君の目が節穴だからさ」<o:p></o:p>
A:「失礼なこと言うな。だいたい悟っていないお前に、なぜあの人が悟っていると、分かるのだ?」<o:p></o:p>
B:「それはあのお方が真理を語っているからさ」<o:p></o:p>
A:「でも、真理かどうかなんて、結局、自分の判断だろ」<o:p></o:p>
B:「ボクはあのお方を、あのお方の言葉を信じている。邪魔をしないでくれ」<o:p></o:p>
A:「そこまで言うのなら、邪魔はしないが、オリジナルな存在にはなれなくなるぜ」<o:p></o:p>
B:「どういうことだい?」<o:p></o:p>
A:「教祖の言葉を根拠にして生きると、いつまでたっても教祖にはかなわないってことさ」<o:p></o:p>
B:「それのどこが悪い?」<o:p></o:p>
A:「悪くはないが、残念なことになる」<o:p></o:p>
B:「残念?」<o:p></o:p>
A:「オレが思うに、お前は観念的な悟りなんかより、本当は居場所と関わりがほしいのだ」<o:p></o:p>
B:「それで、ボクにどうしろと?」<o:p></o:p>
A:「お前はもっと俗世間に揉まれた方がいい」<o:p></o:p>
B:「なぜ?」<o:p></o:p>
A:「お前に必要なのは、もっと自分の頭と心を使って、考えることだからさ」<o:p></o:p>
B:「君の言い分は分かった。もっと自分の人生を生きろと言いたいのだな」<o:p></o:p>
こういう経緯で、Bは尊敬する教祖のもとを離れたのでした。<o:p></o:p>
では