楚の国に孫淑傲という名宰相がいました。
子供の頃、ある朝遊びに出て、
帰ってきた時にとてもふさぎこんでいるのをみて、
母親がどうしたのかと尋ねました。
すると「今朝、二つの頭のあるヘビをみた。
二つの頭のあるヘビを見た者は死ぬと言われているので、
それでふさぎこんでいる。」と答えました。
母親は、「そのヘビはどうしたの?」と聞きました。
「また、誰かが見て死ぬといけないから、殺して埋めた」
「では大丈夫よ。陰で良いことをすれば、
必ず天が福をもたらしますからね」と母親が言いました。
少年は死なずに、後に宰相にまでのぼりつめました。
「人間学3」七田 真著
この迷信を信じていた少年は死を恐れた。
そしてその少年はその禍を自分だけで終わらせようと、
その迷信たる現実をこの世から抹殺した。
その正義感たるや、
自分以外の人々に対して実に献身的である。
自分に降りかかった禍を始末することに奔走し
思い惑うが精一杯のなかで、
他人様の事を思いやる心、
これは徳の何ものでもない
とても少年の行動とは思えない。
でもヘビを始末した跡も、
その迷信に思い惑いふさぎこんでいる少年、
なんとも微笑ましく、そして優しく
大丈夫よ、必ず天が福をもたらしますよ。
と慰める母親の愛情がたまらない。
陰徳のある者は必ず陽報あり。
陰で徳を積む生き方をコツコツ歩みたい。
早起き鳥
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