司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

監査役設置会社の定めの廃止と「監査役の監査の範囲に関する登記」

2015-05-08 11:35:26 | 会社法(改正商法等)
 会計監査限定の監査役を置いていた株式会社が,平成26年改正会社法施行後に,監査役を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更を行った場合の変更の登記の申請について,「公示の観点からは,いったんは,『監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めの登記』を経るべきである」と述べたところである。

cf. 平成27年4月7日付け「監査役の監査の範囲に関する登記と経過措置(3)」

 しかしながら,法務省HPでは,「なお,監査役の変更の登記が会社法の一部を改正する法律(平成26年法律第90号)の施行日である平成27年5月1日以降最初の監査役の退任の登記である場合には,監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある旨の登記及びその廃止の登記をする必要はありません。」という考え方が示されている。
http://www.moj.go.jp/content/001144047.pdf
※ 商業・法人登記申請1-11  1頁

 ん~,どうでしょうね?

 監査役を置く旨の定款の定めを廃止する以上,既往の「監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定め」を登記する実益がないと考えているのかもしれないが,改正会社法附則第22条第1項の規定より登記申請を猶予されているに過ぎないのであり,同項の解釈としても,また履歴事項証明書においては以後3~4年の間は監査役を置いていた旨が公示されることからも,「監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある旨の登記及びその廃止の登記」を経ておくことが望ましいと考える。
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