「クマともりとひと」という本をご存知でしょうか?
わずか80ページ足らずの本。しかも100円。
書店では買えません。
発行元は日本熊森協会。
この協会をつくったのは,森山まり子先生。
先日,日本熊森協会千葉市部発足の講演会のときにご挨拶させていただきました。
森山先生は兵庫県尼崎市の中学校で理科の先生でした。
今は日本熊森協会の活動が忙しくておやめになりましたが,理科の授業が大好きで,生徒から質問には何時間でも対応する熱心な教師でした。
本当にすごい話です。
はじめて聞くこと,知らなかったことばかり!
そして,尼崎市の中学生のひたむきさとその努力に涙しました。
もちろん実話です。
行政や国に向かって働くをねばり強く続けた勇気ある子どもたちと,その思いにうたれて一緒に立ち上がった先生方の実体験が収められています。
内容の一端をご紹介しましょう。
日本の国土の60%は森林です。
ぼくもそれは聞いていましたが,その70%は人工林ですでに死んでいる森林。まったく動物,とりわけ大きなからだのツキノハグマにとっては食料も得られないとんでもない森だとは知りませんでした。
ツキノハグマは,だから,人里に降りてきて,食べ物を漁るのです。
本当は犬の数倍賢くておとなしい動物です。
自分からは人に危害を加えたりしません。
でも人はツキノハグマを有害獣として射殺していいことにしてしまった…。
その裏にはまたしても経済の論理があります。
一頭100万円で売れるのです!
特に「クマの胆(い)」が漢方薬として珍重されています。
ひどい話です。
ハンターはお金にもなるので目の色を変えてツキノハグマを追いかけて打ち殺します。
ツキノハグマの絶滅が始まりました。
九州ではすでに絶滅しました。ツキノハグマは一頭もいません。
四国はあと十数頭。時間の問題です。
そして森山先生の学校のある兵庫県ではあと60頭。
時間がありません。
でも,奇跡はある生徒の作文から起こりはじめました。
生徒のツキノハグマ絶滅を憂える作文。
それを森山先生が「理科だより」で紹介したのが奇跡の始まりでした…。
内容紹介はここまでです。
あとは本をお読み下さい。
中学生の「ツキノハグマを救いたい!」という思いが胸に深く迫ってきます。
子どもたちの一心不乱の行動力には本当に頭が下がります。
もちろん,その学校ではいじめはなくなりました。
いじめをするような暇な生徒はいなくなったのです。
ツキノハグマを救うためにはいろいろなことを勉強しなくてはなりません。
みんな目の色を変えて授業を聞くようになりました。
日本を変えるために立ち上がった中学生と先生のドキュメント。
ぜひぜひ読んでください。
購入先:kumamoribook@docomo.ne.jp
100册未満は 送料300円かかりますが,100冊以上だと送料無料です。
参考URL:日本熊森協会(本の写真の出典も)
http://homepage2.nifty.com/kumamori/
(まぐまん)