今日の一言

日々の生活の中で見つけた「なぜ・なに」について書いています。

試練

2017-06-16 11:29:03 | Weblog
 耳鼻科医になると、いろいろと覚えなければならない処置があります。私は大学病院で研修しましたが、教授を含め多くの先輩の先生たちに指導をあおぎました。そのような処置の中でも難しかったのが耳管処置(鼻から耳に空気を送る処置)です。

 鼻の奥には耳へ通じる管(耳管)があります。鼻の中に金属の管を入れ、耳管に空気を送るのが耳管処置です。鼻に入れていく管の感覚を感じつつ、目的の位置まで持っていきます。そして空気が耳管に入れば処置は完了します。この処置の難しい所は見えない所で操作しなければならない点です。振り返ってみると私もうまく耳管処置ができるまでには数年かかりました。

 耳鼻科医になって2年目の時、香川の関連病院へ定期出張していました。その時に外来に来られていたご高齢の男性の患者様はいつも耳管処置に対して厳しい方でした。空気が耳に入らないと『あかん、入ってない』と言われます。さらにその方の鼻の中はとても狭く、管を動かしていると『鼻がいたい』と怒られました。そのような中で私は緊張しつつ処置に専念したものです。しかし今から考えるとあの患者様の厳しさがあったからこそ、今の自分がいるように思います。できればあの患者様にもう一度会ってお礼を言いたいです。

あの時は新米医師の私に対し厳しくして頂きありがとうございました。おかげで私も耳鼻科医として地域医療に貢献できるまでに成長しました。これもひとえに百次郎さんのお陰だと思っております。

 な
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