明日につなぎたい

老いのときめき

”日本死ね”も「共謀罪」か

2017-03-22 19:30:47 | 日記

 安倍内閣は21日「共謀罪」法案を閣議決定した。一瞬、ある事が脳裏をよぎった。戦前の治安維持法下、見境なく非情な逮捕、拷問、虐殺までやった「特高」の影を感じさせる公安・警備などの捜査当局が、出番到来とばかりに勢いづくのではなかろうか。先般「保育所落ちた。日本死ね」と言ったお母さんの声が話題をよんだ。もし、一人ではなく、何人かで意気投合し、この場を警察官が盗聴とか尾行、張り込みで嗅ぎつけ「死ね」を「やれ」だと解釈し、テロの準備行為、その計画(共謀)だと判断したら「共謀罪」が適用されるのだろうか。

 

 「日本死ね」は、言った人の義憤・内心である。「安倍内閣やめろ」も「原発ゼロに」も「沖縄返せ」も「待機児童なくせ」も、国民ひとり一人の内心だろう。それが複数で合意されたら共謀罪だというのは、内心に対する処罰になる。それにしても、証拠なしに人の心に踏み込んで、罪人をつくるわけにはいかないから、盗聴、盗撮、スパイの送り込み、密告者などで証拠づくりに血道を上げることになるだろう。国民は権力の監視下、集まれない、迂闊に喋れない、暗い生活を余儀なくされる。テロ対策は全くの口実にすぎない。待っているのは人権無視の暗い日本か。

 

 先日(20日)のブログで、小林多喜二が特高警察に捕らわれ命を奪われた、怒りと憎しみを覚えざるをえない悲劇をとりあげた。特高に飼われたスパイの手引きによる惨劇だった。共産青年同盟に潜入したスパイ、三船留吉が、左翼劇場のSなるものを使って、警官が待ち受ける場所に多喜二をおびき出し、逮捕、そして拷問、虐殺に至ったと伝えられる。逮捕の口実は治安維持法違反。特高は天皇の命令でやったと嘯きながら、多喜二の死因を心臓麻痺だと偽る陰険ぶりだった。共謀罪は天下の悪法、治安維持法の再現である。この法案は「死ね」である。

 

 


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