明日につなぎたい

老いのときめき

「この世界の片隅に」

2017-07-16 13:38:24 | 日記

 昨日、映画「この世界の片隅に」(アニメ)を観に行った。こうの史代の漫画を映画化した作品だ。1943年~1945年の、呉、広島を舞台にした戦争中の物語である。絵を描くのが得意な少女、浦野すずが主人公。何とも可憐でいとおしい子だ。私は、この少女と同年代で”あの時代”の体験者だから、空襲からの退避だとか、乏しい配給物資の行列など、身につまされる思いで見た。すず  の苦労は他人事ではなかった。戦後育ちの人はどう感じるだろうか。私の身近にいる女性(40歳代)は「はじめからお終いまで泣いてました」と。

 

 この映画では、平和とか反戦とかの言葉は全く出てこない。こんなこと何も言わない、心優しい、すず という女の子の日常から、それがじわっと、しんみりと伝わってくるのだ。そういえば、同じ、こうの史代の漫画を元にした映画「夕凪の街 桜の国」(DVD)もそうではなかったか。一瞬にして平和で幸せな日常を壊された、被爆二世三世の物語である。絶叫も悲憤慷慨もフタされ、淡々としていた。そして、観る人の涙とまらず、世界に大きな話題を呼んだそうである。真実が人の心を動かすのだと改めて感じ入っていた。

 

 「世界の片隅で」の すず が激しく感情を表す場面は、1945年8月15日、ラジオで終戦の詔勅を聞いたときだった。思わず家を飛び出して泣き崩れた。口惜しかったのか、悲しかったのか、嬉しかったのか、そんな説明はもちろんない。ヒロシマは原爆で廃墟になっていた。そこの片隅で親しかった彼と出会う。私はこの場面でほっとした。ある感慨を新たにした。戦時の体験をもつ私も生き残って片隅にいる。生あるかぎり、黙っていないで、片隅からでも反戦・平和の声を出し続けたい。 

 

 

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