明日につなぎたい

老いのときめき

「8・6」は何の日だ

2017-08-05 15:43:43 | 日記

 『はだしのゲン』を描いた中沢啓治(1939~2012)の原爆漫画第一作は『黒い雨にうたれて』だと知る。映画にもなっている。「被爆し、原爆病になって死を目前にした青年が、殺し屋となって悪徳アメリカ人を殺していく」という過激な復讐劇である。この動機は何だったのか。「広島で被爆した母親を火葬したとき、骨がなくて拾えない。灰しか残っていない。原爆は、ここまで食い尽くすのか」。怒りに震えた中沢さんは、一気に『黒い雨にうたれて』を描いたという。私は共感できた。人の子なら、人間なら、怒って当たり前だ。

 

 原爆投下の当事者・アメリカと、降伏を遅らせて広島、長崎の大惨事を招いた昭和天皇ら戦争指導部に対する怒りは烈しい。戦後、沖縄に米軍駐留を申し出た天皇への怒りも隠さない。中沢さんは言う「被爆したおふくろが死んで以来、ぼくは”怒り”だけでここまできた。ぼくから怒りを取ったら何も残りません」と。同時に「日本人が他の国で何をしたのか、南京虐殺などの資料が出てくると、なんと酷いことをしたのか、申し訳ない気持ちだ」と言い、また「自分の目を被爆で盲目となった少女に移植を」と頼む。怒りは優しさからきているのだ。

 

 中沢さんは福島の原発事故でも言う。「地震の多い国で原発を増設してきた日本政府、それをだまって受け入れてきた日本人に、憤りを感じた」と。明日、8・6には恒例の平和記念式典が催される。中沢さんは「鐘をついて、平和の鳩が飛んで、合唱曲をやって、平和を祈る・・・こんなことで戦争と核兵器がなくなるものか」と思って参加しなかったが、あれでもなくなってしまったら、原爆のこと忘れられてしまうのではないかと、2011年、初めて参加したとのこと。「むき出しの怒りを持つことも、ときはには必要だ」。この一言に重い意味があるときのように思える。

 

 

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